191 忘却の箱
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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ちゃんとご注文通り、さまざまな人たちをお呼びしましたよ。 いたるところから…そう、地平の果てや、宇宙の彼方からも。
中には、主様を消してくださるような方もいらっしゃるかもしれません。
(0) 2014/08/28(Thu) 23時半頃
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丘の上には、白い風が吹いている。
(#0) 2014/08/29(Fri) 00時頃
丘の下の小道からは、小さく白い壁の建物が見えた。
まるで箱のようなその四角い建物の周りには、色とりどりの花が咲いており、まるで絵画のようだった。
(#1) 2014/08/29(Fri) 00時頃
人類に奇妙な病が流行り始めたのは今からそう昔のことではない。
最初は、ある人の腕から1輪の花が咲いたのがきっかけだった。
―――勿忘草病。
そう名付けられたその病は、思い出を糧に身体から花を咲かせる病気だった。
(#2) 2014/08/29(Fri) 00時頃
思い出や記憶が一つずつ消えるとともに花に包まれ、最後には植物そのものとなる。
この奇妙な病に、人々は驚き、恐怖した。
研究者たちはこの病気の治療法を探すべく全力を尽くしたが、その努力はむなしく消えた。
―――やがて、人類は、穏やかに花に包まれていた。
(#3) 2014/08/29(Fri) 00時頃
白い壁の建物―――その中の一室をのぞけば、様々な医療器具と、そしてそれとは不釣り合いな剪定鋏や、園芸用具が見えただろう。
勿忘草病に特効薬はない。
病にかかった人間は、この白い建物のようなサナトリウムでその最期の時間を過ごすのが常だった。
(#4) 2014/08/29(Fri) 00時頃
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[小さなワゴン車がゆるゆると建物の横に付けられ、買い物袋を下げたかっぽう着姿の女性が車から降り立つ。 それを見て、男はいそいそと扉を開けた。]
―――いつもありがとうございます。
今日のメニューは―――?
[このサナトリウムにいつも食事を作りに来ているその女性は何事か言うと袋の中身を男に見せた。]
やあ、そいつはいい。 きっとみんなも喜びます。
[そう言ってさりげなく買い物袋を一つ奪うと厨房へ運んだ。]
(1) 2014/08/29(Fri) 00時頃
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[男はこのサナトリウムに常駐する医師だ。 患者たちと寝食を共にし、その最期の時間を少しでも和らげるため、ここにいる。
もっとも、勿忘草病には痛みなどは付きまとわない。 動くことが困難になった患者の介護と、希望する者に少しでも病の進行を遅らせるための治療を行っていた。
あとは今来たような通いの女性への支払、患者の家族への対応などの雑務も彼の仕事だった。]
(2) 2014/08/29(Fri) 00時頃
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[女性の作る食事の匂いがほのかに漂ってくる。]
――そろそろかな。
[きっと患者たちにもその匂いは届くだろう。]**
(3) 2014/08/29(Fri) 00時頃
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[胸で、黒い花が揺れている。]
……あ、いいにおい。 今日のご飯はきっと美味しいよね。
[届いた食事のにおいに、そう呟く。目は、真直ぐに澄んでいる]
(4) 2014/08/29(Fri) 00時半頃
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[白の患者服に浅黒い肌の少女。 そこに落とされた黒は、いびつな色彩のリズムを刻む。
最初は灰色の花だった、 なんてことは少女は最早憶えていない。 それはひとつひとつ、 少女の中の「疑い」の思い出を、吸い上げて行った]
(5) 2014/08/29(Fri) 00時半頃
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[そして、少女は疑心も忘れた。
それでも。 胸の花に視線を落とすと、少しだけ泣きそうな顔をした**]
(6) 2014/08/29(Fri) 00時半頃
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[咲き誇った花弁が音もなく──…
ひ
ら
り
……………────────…………………*]
(7) 2014/08/29(Fri) 08時半頃
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[──ぐしゃり。
手のひらを広げれば 萎れた花脣が 一枚 落ちて
すん、と 鳴らす 鼻
淡い勿忘草色の花は 今日も湿っぽい風貌で 男の頂点から根を生やし 揺れている。]
………邪魔。
[軽やかなリズムを 届けるための赤い糸 それに少し引っかかる 甘く なつかしい 雨のにおい
ふわり 芳しく 慎ましやかな薫香。 乾いた瞳からは、何ひとつ 零れ落ちぬ まま
ただ、時折 空から落ちては 地を伝う雫には 羨ましい
[真夏の太陽を睨むような 眼差し *]
(8) 2014/08/29(Fri) 08時半頃
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[──勿忘草病。
そう宣告され、このサナトリウムにて生活を送るようになってどれくらいの時が経ったのか。
覚えていたはずなのに、もう訪れた頃の記憶は殆ど曖昧で。
こうして音楽を聴き続けることこそが、家族とした約束であることも、今や遠い記憶の中に溺れてしまっている。
父と、母と。 そして兄弟がいたようないなかったような。 自身の家族関係すらも曖昧なハリボテ人形のような継ぎ接ぎの映像。
抜け落ちていく記憶は
身に根を張っては、甘い蜜の薫りと共に顔を覗かせる花々に 奪われていく──*]
(9) 2014/08/29(Fri) 08時半頃
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[部屋に蔓延する花の香り。 男がこの病にかかったのはいつ頃だったか。
気付いた頃には、自身の手持ちは鼓膜を覆うイヤホンだけ。
指をスイッと動かせば、奏でられる旋律。 ジャンル問わずに織り交ぜて入れられたそれを こうして聞いているのは──… 。]
…何だっけ、これ。
[どうせ 覚えたとしても
こうして何度も忘れてしまうから。
そして、この感情も
いずれ 全て消える。*]
(10) 2014/08/29(Fri) 08時半頃
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[抜け落ちていく思い出。 泡沫の幻を見せては、消えていく。 まるで 咲いては散る 花のように。
──勿忘草 与えられた花言葉は 何処か皮肉めいたものを 感じた。
どのような意図で、この花の名を付けたのだろうか。 忘れられることへの恐怖や哀しみ? それとも“わたし”を覚えておくための楔?
答えは──…きゅう。]
………腹減った。
[間抜けな音を奏でる腹の虫。 花の香りとは別の、食事の匂いにいろんなものが、霧散しては、溶けて。
白い患者服から覗く日にあまり焼けていない腕を伸ばした後、首を傾げた。 ゆらりと揺れる花は相変わらず萎んでいる。*]**
(11) 2014/08/29(Fri) 08時半頃
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[少し開けられた窓から柔らかく舞い込んだ風が、真っ白なベッドの上に広がる金糸をそっと撫ぜる。 その隙間からひとつ、小さな白い花が顔を出した。 そっと静かに開いたその花は、間もなくして小さな花弁を閉じてしまう。 見る見るうちに結実すると、そこには深紅の実がひとつ、残った。
ふるりと瞼が震え、空色の瞳が瞬く。 どこか幼さを残した顔立ちに、淡いブルーの瞳がたちまち活気を灯した。]
ん、んー。 よく寝た!
[伸びをした彼女の手のひらに、まるで狙ったかのように紅い実が収まる。 蒼の双眸がそれを捉えると、ほんのわずか、影を宿した。]
(12) 2014/08/29(Fri) 09時頃
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…そっか。 だから、幸せな目覚めなんだね。
[そっと、呟き、ほんのりと口元に笑みを灯して。 手にしたその実を口元へと運ぶ。 しゃり、という音とともに口内に広がる甘酸っぱさは、きっと養分となった思い出の味なのだろう。
ほんの些細な日常の思い出。 あの人の指先が、あの人が綺麗だと褒めてくれたこの髪を、そっと撫でるたび重ねられた思い出が、一つ失われるたびに生まれるこの実は、いつだって甘酸っぱくて、とてもとてもおいしいのだ。
無くしてしまう思い出の代わりにほんの小さな幸せを一つ。 こうして残してくれるのは、きっとあの人の愛だと、そんな気がする。 そんなこと、お医者様に言ったところで曖昧な笑みしか返ってこないだろうことは、もう知っているのだけれど。]
(13) 2014/08/29(Fri) 09時頃
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[ベッドサイドのテーブルに置かれたノート。 それはこのサナトリウムにやって来て、最初にびっしりと埋めたものだ。 ぺらぺらとめくればそこには、あの人と過ごした日々の思い出が、昨日のことのようによみがえる。 それぞれの記憶は、たった一頁に閉じ込められているのだけれど。
彼女にとっては十分だった。
ぱらぱらとめくった先で、頁をたどっていた指先がつ、と止まる。]
…12月16日。二人でプレゼントを買いに行く。 サプライズも楽しいけれど、相談して選ぶのも楽しい。 この年は、二人で一緒に選ぼうって決めて、出かけたの。 二人で一つのものを買おうって。…
(14) 2014/08/29(Fri) 09時半頃
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[つづられた言葉をそっと読み上げる。 記されていたのは、クリスマス前のひと時。 来年結婚しようね、そう決めていたから、二人で使うものを買いに行って。 結局私が駄々をこねて、かわいらしい鳩時計を買った… そんなストーリー。
…失われた、物語。]
…しょうがない奴だね、そう言って、あの人は、私の髪をそっと撫でてくれたの…
[ぽろりと一粒、しずくが眦から溢れ、頬を伝う。 まるで目の前の情景のように、その光景を、その表情を思い浮かべることができる。 けれど、それはもう、思い出ではない。 記録をもとに組み上げた、想像でしかなくて…]
(15) 2014/08/29(Fri) 09時半頃
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[ノートとともに置かれていた、赤いペンを取り上げて。 その頁に、大きな丸をつける。 満点の答案用紙のような、大きな花丸。
よくできました、のマーク。]
今日のリンゴも美味しかったね。 だから、この日の私もきっと、とっても幸せだったんだね。
[そう言って、彼女は笑った。 その瞳にはもう、涙は微塵もない。 一滴、一滴だけ。 無くした思い出を悼むのは、一滴だけ。]
さーて、今日は、どんな日かな!
[リンゴを一つ食べたとはいえ、小さい実だ。 おなかはくぅと鳴いている。 ベッドを滑り降りると手早く着替えを済ませ。 きっと今日も美味しいご飯が待っているだろう、食堂へと駆けて行く。**]
(16) 2014/08/29(Fri) 09時半頃
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[ぽた、ぽた。
玉を結んだ赤い滴が、骨ばった手首を伝う。 指先まで流れたそれは、リノリウムの床へ吸い込まれるように消えて。
ぽた。
落ちる滴から、もう飽きたと言わんばかりに視線を上げ、青年は忌々しげな息を吐く。 握り締めた右手の中には、くしゃくしゃに潰れた――植物の、芽。]
あァ、……センセイのとこ、行かなきゃ、なぁ。
[うっそりと呟いたその左腕、手首の少し上に柔らかな芽が僅かに残っている。 無理矢理引き千切ったのだろう、破れた皮膚からは未だ血が溢れていたが、虚ろな瞳は最早それを忘れたように廊下の奥を睨みつけた。
視線の先には、上階へと続く階段。青年は踵を返し、来た道を戻り始める。あとで、いい。あとで行こう。上には。]
(17) 2014/08/29(Fri) 22時半頃
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[窓から差し込む陽光を避けるみたいにして、どこか覚束ない足取りで廊下を歩く。 時折、新芽の残る腕を煩わしげに掻き毟った。傷口が広がろうとお構いなしに爪を立て、思い出したように立ち止まっては、ゴホ、と咳を漏らす。
やがてたどり着いた部屋の扉の前で、青年は立ち止まった。 辺りには、何か穀物を焼いたような香ばしい匂いがほのかに漂っている。 食事時が近いのだろう、その部屋の主は、もしかしたら食事をとるために留守かもしれない。が、翳を帯びた瞳は、それに気付いた様子もなく。 床に落としていた視線を、ゆっくりと上げる。持ち上げた片手が、独特のリズムで扉を叩いた。
コン、
コン、…コン。]
(18) 2014/08/29(Fri) 22時半頃
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