204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[色素の薄い髪や肌が、赤に彩られる姿を想像する。
あの手のひらの傷のような。
困ったと笑う、その目を、舐めて。
秀麗な箱を作る指先を、かじって。
その身に脈打つ心臓に手を触れたら。
ああ、それは、きっと――]
――っ
…………
[フィリップの、思考は届いていたけれど。
衝動に塗りつぶされそうで、かみ締めた血の味ですら、まだ落ち着けなかった]
――まだ、……大丈夫……
[ぎりぎりのところで踏みとどまっている。
すぐ外の廊下で、起こっていることに気づけなくて。
ただ、大丈夫と、くりかえしている]
ーーーーラルフ…………
[直接の衝動とは違う それ
感じるのは 何度目か?
今までよりも 強い それに息を飲む
同時にーーーどこか悲しい が
そこに頓着する 状況になくて]
フランシスがいたから
居場所ーーー教えてしまった
心配かけさせたく なかったら ごめんーーー
――――――――フィリップ……
[呼びかけられる声に、ようやく返せるだけの落ち着きが、
わずかに戻る]
…………いい、よ。
心配、してくれたんでしょ……
ありがとう……
(――違うよな?
襲いかかったわけでは、ないと思いたい。
同行者を、大切そうに甘やかしていた彼なのに。
あの二人がこの状態を見たら
きっと、良くない状況に、なる。)
[――ノックスを、少しの間、じっと、咎めるように見た。フランシスは、彼の中にあるよこしまな思いを、まだ知らないのだ。]
[名前が帰ってきたこと
すぐに フランシスが向かってくれたこと
……そのことに ラルフが嫌がっていないこと
それらを 察して安堵の息を吐く]
ーーーーー良かった
[その心と同時に ちり と
横たわるのは怒り
ーーーノックスへの]
|
[昔のように甘ったれた声音で抱きついてくるノックスをやんわりと抱きしめ返す。 体にかかる重みはとうに大人のものであったけれど。
無邪気なほど無防備に触れる体温に、まだ何も知らないままでいた幸せを甦らせた。
二人とも大人になってしまった。 きっと、己の中に飼う獣を互いに知りながら、打ち明けられないほどに。 多分、それを許すほどに、まだ互いを信じていたいのだと。 少なくとも、男は幼馴染を信じていたいのだと、思った。
まるで疑うことなく委ねられる体温が、幸せな記憶を思い出させるから。]
(ああ、俺がプリシラに与えてやりたいのは――多分こんなんだろうな)
[懐かしさとともに感じる切なさに、それでも獣でしか在れない我が身が悲しかった。]
(57) 2014/11/17(Mon) 20時頃
|
[フランシスが来たときには、
安堵と、心配かけることへの不安と、
衝動をおさえる気持ちとでぐちゃぐちゃだった。
それでも話している間にそれは落ちついて]
……ありがとう、フィリップ
[そっと、かすかに伝える感謝]
[ノックスに向けられた視線。
居間でも、廊下でも、変わらない。
フィリップが追及した事の、何処までをラルフは保護者に知らせたのだろう。
抑えられた衝動は、何処に消える?]
…………何も できてないし
[落ち着いたのは ラルフ自身の
そして フランシスの]
|
おい、誰かさんの髪色で決めてねえか?
[連れを思い出させるような赤みを帯びた木の色を咎めるでなく、楽しそうな声音でそれをそっと撫でた。 小箱にしまえば、まるで二人旅の男と連れのようで、少しだけ穏やかな気持ちになる。]
ありがと、な。
[細く柔らかなノックスの髪をそっと撫でる手は、少年の頃のような粗暴さからは程遠く。 ただ、経た分の年月と郷愁を思わせた。]
(71) 2014/11/17(Mon) 20時半頃
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|
[強請られるままに>>1:405手渡したのは黒曜石の首飾り。 ノックスの髪色と瞳からすればそれは地味にも思えたろう。]
お前も職人なら、手元で装飾品がちらちらると気が散るだろ?
[何故黒曜石かと問われてしまえば、多少の気恥ずかしさとともに、観念したように告げる。]
お前の名前だよ。 ちょうど髪も目も色が薄くって月や星みたいだからな。 黒で飾れば、ノックス――「夜」になるだろ。
[同族の彼に。穏やかな眠りの夜があれ、と。 願うことまでは言わずに。*]
(72) 2014/11/17(Mon) 20時半頃
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……フィリップが声をかけてくれたから。
だから、飲み込まれないで、すんだんだよ……
|
―3F→―
[怪我の手当てはちゃんとしろ、とノックスに言い置いて。 昨夜は出来なかった荷物の整理に部屋へと戻る。
本当はノックスと話したことで得た同族たちの話を、プリシラにどう伝えればいいのかと悩み、考える時間が欲しかったのだが。
どうにも階下からは鳥の鳴き声が響いて騒がしいことこの上ない。]
ったく、なんだっつーのかね。
[微妙な空腹を覚えていたこともあって、階下へと足を向ける。]
(75) 2014/11/17(Mon) 20時半頃
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[衝動とは、違う欲で発散する。
それを行って後悔はしないだろと思っていたけれど。
その相手が、フランシスになるのなら――]
…………それは、できない……
[できない。
大切な保護者だ。
そういう目でみたことも、ない。
いまも、そういうことができそうも、ない。
――フランシスにしてもらったら、きっと普段どおりでは、いられない]
ーーーーー??
どうしたのーーー…………?
[ふるっと頭をふるって
怒りの残滓を其の後の感情を振り払う]
……衝動の、発散方法……
やっぱり、肉欲、が……――まだ抑えられる方法らしいけど。
フランシス相手には、できない、なって……
[はじめては好きな人ととか、そんな純情ではないつもりで。
食べなくてすむなら、それはそれでと割り切れるつもりだったけれど。
フィリップがいったように、後悔するかもしれないと、思った]
ーーー…………
なんとなく 会話の流れは わかった
主だった手段 なんだね
保護者…………うん 保護者は
ホレーショー
……萎える 萎えて収まるならいいのかな……
[と 真面目に 思案しかけたところで
ふと 思考が ーーーー止まる]
ーーー俺とだったら?
|
―2F―
プリシラ、いるか?
[階段をおりればすぐに広がる居間。 ディーンの顔色がすぐに平静のものとなっていなければ、多少訝しげな表情を見せて、どうしたのか、と聞いただろう。
どれほどの緊張感が残っていたのか、あるいは男の連れがその場にいたのか。 違和感があれば、警戒の真っただ中だ。当然それは肌で感じ取ってしまう。
けれど、真っ先に探す名前は一つ。]
(81) 2014/11/17(Mon) 21時頃
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うん、衝動は、そっちになら、まだすりかえて誤魔化せるって。
……萎えておさまるのなら、ありかな……
[同じように思案しかけて。
――聞こえた問いに、少し、間が開く]
フィリップと……だったら、いけるかも……
ーー………うん 俺もラルフだったら
ん いや 違うな なんだろ ラルフなら いい
…………不思議だね
ほんのちょっと前は
むしろ他の方法を 探して
鳩尾に 一発 なんて考えていたのにね
うん……俺も、フィリップなら、いいよ。
――――そうだね。
痛みを感じないで一瞬でとか。
そんなことを思ってたけど。
でも……発散できるのなら、気持ちいいほうが、いいよね。
[自分で使った言い回し
ラルフから 同じようにかえると 照れる]
一瞬だけっていっても 痛くさせるより
気持ち良くなってもらう方が
………… 躊躇も ないよね
――ほんとうに、
こうして、話ができるのが、フィリップでよかった……
[ほっとしたように、つぶやく]
うん、痛みを与えるより。
気持ちよくなってもらうほうが、まだ、ね。
[つぶやきに滲む それが暖かい]
…………俺も こうしてると
先祖返りも 悪くないなって
少し 恥ずかしい けどね…………
ラルフも……恥ずかしい?
うん……先祖がえりも、悪くない、ね。
[問われたことに、少し、間が開く。
気恥ずかしさは、にじんで]
……そりゃ、ね。
恥ずかしくないわけ、ないし。
――でも、フィリップだから、
恥ずかしくても伝わるし、気にしてたら、やってけないかな、って……
|
[赤い髪がはらりと揺れ、顔をあげたプリシラの顔が泣きそうに歪んでいるのを見て>>93、胸がざわつく。]
何があった?
[いつもの気軽さを削ぎ落とした声音で問う。 尋常でない空気に、それは何故かひどく調和した。]
(104) 2014/11/17(Mon) 22時頃
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