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メアリー! 今日がお前の命日だ!
[そう。「この手で」殺すために。]
――――…
[獣たちを狩る人間の集まりと。
かの少女の母を殺めたであろう人々と。
その少年――サリスの母を殺めた人々と。
同じ手は使うまい。使ってやるまい。それが、傷跡残る男のしがらみ。
あぁ―――それは、あまりにも、甘かった。]
[窓の外に、月は妖しく照り輝く。]
――…。
[吐息のあとに流れる長い空白]
今宵はホレーショ―が、自警団のもとに。
[短い、知らせ。
それはサリスがミドルの名を呼ぶ前後に齎される]
リヒトさん。
あなたのお気に入り、
――場合によっては、殺します。
[リヒトへと告げる声は、
同時にサリスへの宣告ともなった。]
横取りされたくないのであれば、お早めに。
仲違いでもしたかい?
[ミドルの聲に常と変わらぬ様子で問う。
彼女の意志を聞けど、焦る様子はない。
サリスが人間の娘を選ぶ未来は想定の範囲内]
ええ、そんなところです。
……止めないんですね?
[あの時は冗談の上ではあったものの、
彼は自分の獲物だと言っていたというのに。
とはいえ、サリスがこちらを殺しにくるのなら。
たとえ止められたとしても、聞くつもりはなかっただろう。]
そうか。
困ったものだね。
[ミドルの応えに漏らす嘆息。
問いかける聲にはいくらか考え]
――…止める止めない以前に
私の意志はもう伝えてあるからね。
[所有権を主張する軽口。
それを知った上で脅かすならば関係は一変する]
わかりました。
[応えは簡潔。
場合によっては同胞と対立する事も推測できたが。
サリスの出方によっては、それもまた止むをえないだろう。]
――…嗚呼。
[ミドルに短い応えを向ける。
彼女を同胞であると認識している。
共同戦線といったように仲間であるとも。
けれど、これからの時間を共に過ごす事は
彼女も範疇にないだろうしリヒトも考えてはいない。
何れ去りゆく存在を留める術などもたない。
力をもって制するほかは知らなかった]
[確かに聞こえていた。一人の男のその名前
それが意味するのは、此処にはもう人間の少女と男と、人狼の少女と男しか残されて居ないということ。
――男がたったひとりで刃向おうとする、その人狼たちのこえが聞こえる。
今まさに少女の人狼に害を為さんとするサリスは、ミドルが告げたその言葉
それだけなら、ただ、何も言わずに聞いただけだった。]
なにを。 いまさら、
[リヒトの「お気に入り」。
そうも告げたミドルに返す、そのうつくしい獣のこえ。
サリスのこえは、震えることなく。けれど、零れていた。]
あァ。あんたは。
慣れたんだろ。ひとり、に。
[全てを、メアリーをも喰らい尽くすと告げてきた男の。
その「意志」ということば
慣れたよ。
同じになる事を望んだサリスが
同じになる事は無かったと知ったあの時に。
[サリスの聲に、クツと笑いながら言葉を返す。
メアリーを喰らう事を告げたあの時、
サリスがメアリーを選ぶなら
彼が生きる為に殺されてやっても良いかもしれないと思った。
別の選択を心の何処かで望む気持ちはあったのだけれど
矜持の高い獣は、言葉になどしない]
【人】 花売り メアリー―――シーシャを。殺さないで。 (31) mizutama 2013/02/09(Sat) 01時頃 |
【人】 花売り メアリー …良いですよ。食べても、良いです。 (33) mizutama 2013/02/09(Sat) 01時頃 |
は。
そりゃ、良かった、わ。 あァ、同じに、なんか……
[痛みで鈍った感覚の中。
このこえ
――…ならずとも、構わない。
私はあの日、人間であった「サリス」に出会い
心惹かれたのだから、な。
[クツ、とまた笑みが零れる]
【人】 花売り メアリー …そっか。ただ、貴方が生きる為なんですね。 (40) mizutama 2013/02/09(Sat) 01時半頃 |
【人】 花売り メアリー[そのまま身を翻せばもう、彼の方へは振り返らない。 (44) mizutama 2013/02/09(Sat) 01時半頃 |
――…サリス。
苦しくないように、と彼女は言っているが。
彼女の望む安らかな死を与えるか
光を失い、声を失い、腕を失い――…
果てぬ苦しみを負わせて生かすか。
好きな方を選ぶが良い。
何、だよ、
それなのに、「おなじに」、とか言いやがって、た、とか。
っつか、メアリーに、言ったばっかじゃ、ねェ、か、今、
人間の食事と同じ、って、
なのに、ひかれた、と か、
[彼はおそらくグロリアに対しても、「おなじ」ならぬものでありながら、妹として愛していたのだろうと思う。
けれど、己は?心惹かれた、とは―――。
取り留めのない言葉は、戸惑いの表れ。]
なに、笑ってん、だよ……、
「おなじに」と望まねば――…
何れ壊してしまうから。
[人間と人狼は共存出来ないと思う。
飢えをやり過ごす術を知らず生きてきた]
人間は、食事と、同じだと思っている。
生きるために、必要な糧。
けれど、あの日、あの夜――…
「サリス」と名乗ったあの存在を消すのは惜しいと思った。
獲物を見逃したのは、一度きり。
私の姿を見て、生き延び、再び出会ったのは
「サリス」だけ――。
[妹にさえ見せたことのない姿。
それを知る人間で生きているのはただひとりきり]
……………………、
ばか。
決まってン、だろ。
あの子の、メアリーの、願う、通りに、しろ 。
――…、サリス。
お前も、十分、莫迦だと思うぞ。
[彼の言葉を否定はしない、返し]
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