204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[>>129音が増えた。 知った名前を呼んでいる、聞き覚えのある音だ。 >>130もう一つ、これも知っている音。 >>131それから、これは――。
ディーンは、ニコラの背中に回した手に力を込める。 縋るようにシャツを握って、触れる体温を一層近くに感じようと試みる。>>126他にニコラの名を呼ぶ声があっても構いはしない。]
――……
[総ての音を遮断し、視界を塞いで、聞こえないふり、見ないふりをする。今腕の中にある熱を失うことが、一番恐ろしい。 体温の温かさを知って尚離れなければならないというなら、この願望が叶えられないというなら――死んだ方が、マシだ。]
(139) 2014/11/17(Mon) 23時頃
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/* 居間 ぐっちゃぐちゃやな 人間関係 ディーンさんの死に場所は どこになるんだろ
(-56) 2014/11/17(Mon) 23時半頃
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/* 個人的には 居間に 死体を残したい 忌々しい感じに
居間だけに
(-57) 2014/11/17(Mon) 23時半頃
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[>>150ディーンは、望んだもの以外の体温を拒絶する。 両手を離したくはないから、触れる感触があれば緩く首を振るのみだが。
>>152彼の指が髪を撫でる。 それから保護者を呼ぶ声がして、ディーンは微かに息を吐いた。 願いを告げた時、ニコラは確かに頷いたのだ。 不安に思うことは何もないはずなのに、それでも不安は拭い去れない。取り除けるのは、彼だけだ。]
――……ニコラ。
[いかないで、と、要点を言外に置く癖はそのまま。
>>161強い声に、びくりと背を震わせた。]
(170) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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[>>168本能との心中。 まさしく、正しい表現だ。 他者の迷惑も顧みず、守らねばならないはずの大事なものを捨て、他人の大事なものに縋りついて、獣に堕とそうとしている。 褒められるべきことは、何一つしていない。
しかし、ディーンはずっと一つの疑問を抱いていた。 果たして、本能を押さえ続けるのは正しい事なのか。 苦しみ、もがきながら生きていくのは正しい事なのか。
何が正しく何が間違っているのか、ディーンには分からない。 『大人』でありながら、罪を犯したことは理解している。 ――それでも、飲み込むことが出来ない言葉がある。]
――……ニコラ。 君が、好きだ。
[その呟きに、常の平坦さはない。 そこにあるのは、押し殺すことの出来ない確かな感情だった。**]
(180) 2014/11/18(Tue) 00時半頃
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[それは予感では無く、確信だった。 ニコラの掌に炎を見たとき、 それは長らく冷えたままの氷を溶かす火だと確信をした。 だからこそベネットに――信頼できる友人に、 一番大事なものを託したのだ。
炎に触れた氷は溶け、元の形を失う。 大人であったディーンは、もう何処にもいない。]
――…………すまない。
[>>176悲痛な声に返す囁きは小さく、口の中で消えた。**]
(=8) 2014/11/18(Tue) 00時半頃
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[>>187可哀想だと言うのは、恐らく正しくは無い。 非難されるに相応しい事であると自覚をしている。 しかしディーンはニコラの言葉を否定せず、「可哀想」と紡いだ口元を見上げた。
何も知らない無邪気な子供を引きずり落とす罪悪感と、大事なものたちを大事に出来なかった後悔。 それらを掛けあわせても尚、ニコラが自分のことを大事に抱えてくれている――その幸福感が勝る。]
――……ああ。
[離れ難い体温をそっと引き剥がして、ディーンはニコラの背中に回していた腕を解く。 視界が開けて他者の視線に晒される恐怖はあれども、それもまた罪の代償だ。]
(255) 2014/11/18(Tue) 08時半頃
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― →3階 ―
[与えられる体温を蓄え些か冷静さを取り戻したディーンは、ゆっくりと息を吐いた。 インクに汚れた掌を見る。まだ、形はある。 魔法を失い、大事なものを失い、それよりも大きな幸福を手に入れた。
ソファーから腰を上げ、躊躇いがちにニコラの手を取る。 お菓子の家への道しるべは無いけれど、迷うことはもう無い。]
……行こう、ニコラ。
[ディーンは居間を離れ、階上へ続く階段に向かう。 上の個室ならば、彼に食べてもらえる瞬間を、誰にも邪魔されないだろうから。**]
(256) 2014/11/18(Tue) 08時半頃
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― 3階・室内 ―
[幼い頃から評価はいつも同じだった。 落ち着いている、大人びている、聞き分けの良い大人しい子供。 そう思われていたから、ディーンは全てを飲み込んだ。 吐き出すべき毒も、我儘も全てを飲み込んで汚れていった。
本当は我儘で醜くて、弱い。 そんな自分の姿を、ディーンはひたすらに隠し続けた。
しかし、>>349柔らかな日の光がそれを暴いた。 炎で以て頑なだった氷を溶かし、それだけでなく――。]
ニコラ――……、っ
[白いベッドに横たわったまま、ディーンは彼の名を呼んだ。 優しいキスと、汚れた指先を噛む硬い歯の感触だけでひどく熱を帯びた息を吐く。]
(357) 2014/11/18(Tue) 22時頃
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……もっと、強く 噛んで
[溜め込んだ汚れはきっと、彼に食べられる為にあった。 汚れて穢れてぶくぶくに太った欲望で、 彼の腹と心を満たすことが出来る。 そう思えば、あさましく強請ることの一つぐらい何でもない。
空いたままの片方の手を伸ばし、ニコラの髪をそっと撫でる。 爪先も、舌も、眼球も、腸も。 全てを彼に、食まれたい。]
(358) 2014/11/18(Tue) 22時頃
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――……っ あ、 ……!
[>>373望むままに与えられる。 子供のような我儘やおねだりも、きっと彼ならば許してくれる。 薄い肉に歯が突き立てられ食い込んだ。 黒いインクの汚れを赤色が上書きする。 指先一つ食まれるだけで言いようも無い熱さに襲われ、ディーンは艶めいた声を上げた。 藍鉄色の双眸を細め、髪を撫でていた手を頬まで滑らせる。
緩く、笑みの形に口角が持ち上がった。 薄く開いたままの唇から、喘ぐような息が漏れる。]
(382) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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僕、は……――必要とされたかった きっと、誰かに 僕を、見て欲しかった
でも、今は 「誰か」は 嫌だ
[>>375痛みと熱さで乱れる息の最中、囁くようにディーンは言葉を零す。 もう何を隠す必要も無い。 肉も、心も、全てを彼に差し出すと決めたのだ。 ――大事なものの全てを捨てても。
ニコラの親指が唇をなぞる。 それが離れる前に一度、指の腹に舌を伸ばした。 伝わるのは美味しいとも思えない自分の血と、ニコラの皮膚の感触。
首筋に落ちる唇に期待するように、頬に触れているディーンの手が震える。 腹を食い破られて、中身を引き摺り出されて――全てが暴かれる瞬間の恍惚を想像する。 今欲しいのは「誰か」ではなく。]
――…… 君でないと 嫌だ。
(383) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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[>>392憐みの言葉に、ディーンはゆっくりと瞼を瞬かせる。 そう、かわいそう。だからもっと憐れんで欲しい。憐れに思って優しくして欲しい。そして甘えることを許して欲しい。 大人の形が溶けて消えて、残るのはついぞ消し去ることの出来なかった子供の願望ばかり。 それらもきっと、彼以外に分かってくれる人などいない。
>>393喜んでくれるなら、どんな言葉もあげよう。 言葉を紡ぐための舌ごと差し出そう。 淡い金色の髪に指先を絡めて、ディーンは深く息を吐く。 恍惚の混じり込むそれが>>394続く言葉に、一度、詰まった。
弱い顔が好きだとニコラは言った。 しかし今はとても嬉しくて、溺れてしまいそうなほど幸せで。 ――今の自分は、彼が好きだと言う顔をしているのだろうか。]
(404) 2014/11/19(Wed) 00時頃
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……っ、ニコラ 、ニコラ
[不安に駆られて名前を呼び、指先の欠けた手も伸ばす。 腹の肉を食い千切られる痛みにくらくらと酔いそうになりながら、 伸ばした両手はニコラの頬を包むように添えて。
呼吸の度に腹が上下して、赤い蜜が零れる。 痛くて、熱くて、気持ち良くて、もっと欲しくて。]
ニコラ、 好き 君が好きなんだ だから、
[どこにもいかないで。
飾りも技巧も失われた言葉は、皮膚の奥にある内臓に等しい。 覆い隠すものの無い本来の姿を曝け出して、ディーンの藍鉄色の瞳が涙の膜を張り、揺れる。]
(408) 2014/11/19(Wed) 00時頃
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/* ほんと 私のやるディーンは 毎度毎度 こんな感じ
多分 チップの所為 ←ものすごい我慢顔やん
(-127) 2014/11/19(Wed) 00時頃
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/* これで投票が失敗して リビングデットと化する ディーン 別の物語が 始まる……!!
(-129) 2014/11/19(Wed) 00時頃
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/* あと フィリップが 襲撃先を 探している感 ニコラが狼じゃないから 投票枠は いただきだぜ
(-130) 2014/11/19(Wed) 00時頃
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/* しかし 中の人は 最後まで ディーンさんの 願望が 分からなかったです めんどくさい人だな って思ったので 割と真剣に 自殺ルートも 用意してた
(-131) 2014/11/19(Wed) 00時頃
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――……ん、っふ ぁ、あ……は、
[>>423触れられた箇所から新たな熱が生まれ、ディーンは息を詰め、喘ぐ。爪先がもがくように床を掻いた。 目元に落ちる柔らかな感触にゆっくりと息を吐いて。]
ずっと、一緒――……
[そう、彼に食べられて、ずっと彼の中にいられる。 皮膚などという邪魔な境目もなくなる。 他の全てに目を瞑り、ディーンはひたすらに目の前の幸福だけを見つめる。 重なる唇から伝わる甘い甘い味は、思考さえ蕩けさせていく。]
(440) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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ニコラ……ずっと 一緒にいて
[彼を見る為の目が無くなってしまうのは惜しいが、これからは彼の目が自分の目になるのだから構いはしない。 眼球に触れられる反射で、閉じてしまおうとする瞼が煩わしい。 ニコラの指が瞳の表面から涙を押し出して、こめかみを伝って落ちていく。
薄曇りの灰色の双眸を食べたいとは思わなかった。 ただ、ずっと見ていて欲しい。 肉が食いつくされて骨すらも朽ちる、その瞬間まで。
瞳から涙を溢れさせながら、ディーンは笑った。]
(441) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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/* よもやの シメオンが同時落ちの 可能性
(-139) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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/* 保護者泣いちゃうよ
(-140) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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……っぐ、ぁ、あ、ああぁぁ ……っ!!
[>>451ニコラの指が、誰も触れたことの無い奥深くに触れる。 喉の奥から押さえきれない歓喜の声を上げながら、ディーンはニコラの肩を掴んだ。 痕の残りそうなほど強く強く縋って、熱さに喘ぎながらも>>454彼の声に耳をそばだてて。
>>456片方しかない目では、彼が何に触れたのかが分からない。 熱さの所為で、触れられたのが何処かも分からない。 しかし、ニコラの声だけは聞き逃さない。 よくきいて、と彼が言ったから。]
(467) 2014/11/19(Wed) 01時半頃
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ニ、コラ……君が、僕 の唯一…… 僕を 助け、てくれる……僕の、 太陽
ぼくの かみ、さま
[乱れる呼吸に、声を出すことすらままならない。 痛みに身体がびくびくと跳ね、その度に腹からも眼窩からも赤い蜜が溢れて落ちていく。
言葉を遺すことの残酷さも知らず、ディーンは必死に声を上げた。もらった幸福を少しでも返す為に。
残る一つの目が、涙で滲みぼやける視界に、ニコラを映す。 先の欠けた指が震えながら、ニコラの下唇をなぞる。 ディーンの口角は幸せそうに、笑う形に持ち上がったまま。]
もっと、 僕 を
[食べて欲しい。甘やかして欲しい。憐れんで欲しい。 ――愛して欲しい。]
(469) 2014/11/19(Wed) 01時半頃
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/* まさか うちの子と 一緒に落ちるなんて
墓下 大丈夫ですか ディーンさん
(-146) 2014/11/19(Wed) 01時半頃
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/* いや まあ どうせうじうじしてるだけだね ディーンさん
(-147) 2014/11/19(Wed) 01時半頃
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/* がんばれ トレイルwwwww
(-148) 2014/11/19(Wed) 01時半頃
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う、れし
[>>476ニコラが綺麗だと褒めてくれた。 >>477ニコラが名前を呼んでくれる。 ニコラに与えられる全てが幸せの形をしているように、ディーンには思えた。 他のものを全て捨てて、他のものから目を逸らし続けて]
ニコ、ラ だけが、僕の
[>>477蕩けた思考の隙間を、失った血肉と内臓の隙間を埋めるように、ニコラの言葉が染み込んでくる。 ニコラの言うことが本当のことで、他は全部どうでも良い事だ。 ディーンは片方の目を必死に開いて、ニコラが肉を食むのを見つめ続ける。 汚いものも、醜いものも、彼に食われてしまえば、全て美しいものになる。腹の中を曝しても、全てを暴かれても、彼ならばきっと「綺麗」と言って笑ってくれる。]
(489) 2014/11/19(Wed) 02時頃
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――…………、
[ふと。 柔らかな朝の日差しの色と、薄曇りの色を眺める合間に、 一瞬だけ眩しい昼の太陽の光が過ぎった。 しかしディーンはもう、それが何であるかを認識しない。 与えられるものは全てニコラに与えてしまった。 そうして出来た空洞を埋めるのは、ニコラの言葉だ。
重い瞼を動かして瞬きをする。視界の自由が利かない。 声も出せなくなってしまった。 もっと、ずっと見ていたいのに。 もっと、何度でも伝えたい言葉があるのに。
もどかしく唇を動かし、息を吐きながら、震える手を伸ばす。 柔らかな髪に触れて、真っ赤に染まった唇に触れて――]
(491) 2014/11/19(Wed) 02時頃
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[ずっと、一緒。
囁く音はもう、ニコラには届かない。**]
(492) 2014/11/19(Wed) 02時頃
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