120 薔薇のプシュケー
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トレイルはランタン職人 ヴェスパタインに投票した。
その日、二人の少年が赤の寮から姿を消した――…。
(#0) 2013/04/24(Wed) 03時頃
絆を分け合った少年たちは、
卵の殻を破り、揺籃の学び舎から巣立っていく。
確りとその手を握り合って、薔薇の愛が導くままに。
新たな世界へと、二人で―――…。
(#1) 2013/04/24(Wed) 03時頃
そして―――、
少年達の名前も、顔も。
まるで消えてしまった者など最初からいなかったように、
その存在は霞みのように消え失せていた。
勘が良い者なら、朧気にその輪郭ぐらいは思い出せるかもしれない。
だけど寮に残る大多数の者は、
そんな存在など忘れてしまったかのように記憶は忘却の川を流れて、
もうもどることはない。
(#2) 2013/04/24(Wed) 03時頃
旅立っていった少年たちの代わりというように、
はらはらと散っていく赤い花弁。
ガラスケースの中に残る薔薇は、あと一輪。
散るが先か、朽ちるが先か。
残された赤い薔薇はその時を静かに待ち続けている―――**
(#3) 2013/04/24(Wed) 03時頃
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