214 サンタ養成学校卒業試験
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心配を掛けてすまない。 ――…アリスが転んだのが見えて、慌てて駆け出してしまった。
[無謀であったのは確かで、自分の未熟さだ。 恥じるように後頭部をカリカリ爪で引っ掻いて、 ハッと気がつく此方も今更。>>149]
そうだ、アリス。 あの時、俺は君を呼んだんだ。
―――― アリス、アリス、
[前脚を彼女の手背に揃えて乗せて、仰ぎ見る。>>150 鼠の表情はトナカイよりも読み難いだろうが真剣だ。]
(156) 2015/01/24(Sat) 16時半頃
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――――…怪我は無かったかい?
[なんてこと無い労いは、遭難と引き換えにもならない。 けれど、すてーんと転んだ彼女を放っては置けなかった。
自分は、病弱で軟弱な鼠だけれど、列記とした男だ。 鼠が西向きゃ尾が東であるとは云うが、 それ以上に、彼女の元へ駆け出すのは当たり前に過ぎた。**]
(157) 2015/01/24(Sat) 16時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2015/01/24(Sat) 17時頃
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─ 昼の教室 ─
そう。 なら、おれの分もタオルよろしく。
[その昔。 モニカが作戦中にうっかり尻尾を踏みつけてしまった時には、 数日間あの細い尻尾に包帯が巻かれていたこと。>>23 まだ気にしているのか。]
じゃあ、見つけてくるから。 踏まないよう気を付ける。
[及び腰の級友の頭をぽむりと撫でる。 如何せん言葉が足りないのはいつものこと。 見送るポーラにも頷いて、教室を出た。>>6
途中でモニカと別れ、足は校庭へと。]*
(158) 2015/01/24(Sat) 17時頃
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─ 昼の校庭 ─
……転んでやんの。
[捜索中。 今はアリスの元にあるモミの木製ソリにひっかかる朧。>>0:191>>15 渋い顔を向けられれば、視線を逸らした。
指先で慎重に、足元の雪を掻き分ける。冷たい。 人間でこれだけ冷えるのだ。小さな鼠はきっともっと。 逸る気持ちに、吐息が白く染まる。]
アシモフー? モフモフー? ………っくちん。
[小さなくしゃみを一つ。 感覚がなくなってきた指先で鼻を擦っていると、 アリスが助っ人、もといトナカイを連れてきた。>>0:196 よしこれで勝つる。]
(159) 2015/01/24(Sat) 17時頃
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[程無くして級友が見つかれば、ホッと一息。 片手を上げて、テッドとハイタッチ。>>5]
……踏まなくてよかった。
[トナカイに遊ばれてる級友の姿を横目に、>>18>>21>>27 くち、とまた小さくくしゃみをした。 冷える。戻ろう。 ポーラの淹れてくれたお茶も飲みたい。>>14
追いかけっこをする配達学部の級友をのろのろと追って、 校舎へと。]*
(160) 2015/01/24(Sat) 17時半頃
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─ ソリとサンタのお話 ─
ねえ。 なんでうちから、ソリに乗ったサンタが見えないの?
[もっと小さい子供だったおれの、素朴な疑問。 住んでた家は、人口密集地域。 家も所狭しと並び、子供も多い。]
ソリが大きいから? ……そっか、近くまでこれないのか。
[親が言うには、ソリが大きくて 建物の多いこの辺りは飛べないからだという。 なら、小さなソリを作ることはできないだろうか。
プレゼントをもらうのも、勿論楽しみだ。けど。 運んでくるソリに乗った、サンタの姿を見たい。 ソリにつけられた鈴の音を聞きたい。]
(161) 2015/01/24(Sat) 18時頃
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(サンタのソリって、どうやったら作れるのかな) (おれにも、作れるのかな)
[物を作ることが好きな子供は、 次第に素朴な疑問を、未来の夢へと変化させていく。]
(作りたい、な)
[手先が器用だねと褒められた指先で。 折り紙で作ったソリをつついていた、昔のお話。]*
(162) 2015/01/24(Sat) 18時頃
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─ とある冬の夜 ─
……サンタクロースは、偉人の偶像でしょう? 贈り物は嬉しいですが、礼は本人に言いたいですね。
[包装された小包を前に、そう言い放ったのは六つの時。
当時から一族の中で最年少。一番年が近い者でも、十も上。 雪深い山奥の集落では、同じ年頃の友人などいなかった。]
それに、たった一人の為に来ませんよ。
[両親は仕事の都合で、年に一度しか帰って来ない。 周りは大人だらけ。迷惑を掛けぬよう、うんと背伸びをして。
手に持った本に視線を戻しては、さらりと尾を揺らしていた。]
(贈り物よりも、父さんと母さんと一緒の時間が欲しい。)
[本当に欲しい贈り物は、ぎゅう、と無表情の裏に押し込めて。]
(163) 2015/01/24(Sat) 19時半頃
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[移民だった一族が今の地に根を下ろしたのは、曾祖父の代。 たまに近くの街に立ち寄っては、民芸品を売り捌いていた。 色とりどりの糸を編み込み、布に織り、刺繍を施す。 自分の尻尾に着けている髪の結い紐は、母が作った物だった。]
──…サンタクロースの養成学校がある?
[糸を選り分ける手伝いの最中、長老の言葉に眉を顰めた。 何も一族ぐるみで幼子を騙すことはなかろうに。
訝しがる自分に、苦笑していた皺だらけの顔。 ゆっくりと糸を紡ぎながら、異国の話を語り出した。
ソリに乗る者は老若男女、種族を問わず、身分も問わず。 サンタへの手紙を預かり、書けない者は夢から声を聞き。 贈り物を包み、馴鹿と交流し、天気を読み、光の欠片と戯れる。]
(……本当に、そんな夢みたいな話があるのか?)
[ずっと内に籠った子供が、初めて外に、興味を示した時の話。*]
(164) 2015/01/24(Sat) 19時半頃
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――ポーラの部屋で――
[しゃんしゃん、しゃんしゃん。 そりの鈴の音が校舎際を通る音。誰かの練習だろうとは思えど、まさか不時着とは思わないまま。]
わたしさぁ、ほんとはサンタクロースになりたかったの。 たぶん今配達にいない人の中にはさ、そういう人、いっぱいいると思うんだけどぉ。
[もうこうして夜の音を学舎で聴くこともないかもしれないと思えば、感傷的に昔を思い出したりして。 聞かせるともなく、ジンジャークッキー片手に語り出す。]
(165) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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ご存知のとおり、まったくそりに乗れないわたしなのでして。 子供心に「そりが悪いんだ」って責任転嫁して、そんならわたしが乗れるそりから作ってやるーっていうのが今日までのわたしなの。 もちろんそりが悪いなんてなくて、わたしがヘッタクソだって話なんだけどね。
例えばわたしの子供とか、誰かの子供とかがサンタクロースになる時に、なりたい時に、そり乗りが下手くそなんて理由で諦めないで済んだらいいなぁって、そう思うんだぁ。
[さっきのデザインも、その一環。 三人で助け合えば、一人より安全に、確実に運行できる。 大きなそりは運搬に必要、小さなそりは届けるのに必要。 どちらも人が増え子供が増えて密集した市街地には必要な条件だ。]
(166) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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それとさ、……ううん、やっぱ何でもない。 このクッキー、おいしいよ!
[もうひとつこのそりに込めた意味は、まだ語ってしまうには早すぎる。 クッキー差し出し、話をむりやり打ち切った**]
(167) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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/* ……サンタ学校って、何年制だろう(今更) 毎年毎年一定数の卒業生がいても、大丈夫かな?多分。
しかし朧の可愛げのなさよ! サミュエルはダルデレ可愛い、テッドは無邪気可愛いし、イアンは背伸び可愛いし、ピートは天邪鬼可愛いし、ギネスはむっつり可愛いし、アシモフはイケモフ可愛いし。
ポーラはおっとり可愛いし、クリスは天真爛漫可愛いし、アリスはふわもこ可愛いし、モニカはゆるっと可愛いし。
校長先生はお茶目可愛いし、と可愛いのゲシュタルト崩壊。
(-21) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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─ いつかの思い出 ─
あれ、ギネス。 新しい塗料もってきてくれた……んじゃないのか。 ソリが壊れたって? じゃあこっち。そう、ここに置いて。
[いつかの、設計工学部の作業室。 段差に突っ込んだような壊れ方をした、練習用のソリ。>>57 修理は勿論、承る。返却もだ。
空いてる場所に運び入れ、壊れた部分を確認する。 壊れたソリ。怪我していない仏頂面のギネス。 深くは語ろうとしない事情を、無理矢理こじ開ける気はない。]
このソリ、すごく使われてる。 きっと、沢山練習したんだね。
他に摩耗してるとこも、取り替えておくよ。
(168) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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[言葉にされない裡の想いなど、わからない。 ただ、触れたソリからわかるものはある。
たとえばそれは、努力だったり。 たとえばそれは、優しさだったり。 たとえばそれは、────]
(169) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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ああ、ここも古くなってる。替えなくちゃ。 …………花?
[ギネスを見送った後、黙々とソリを修理する。 荷台の隅に、くっついていた雪花草の花びら。
返却する際に、そっと。 荷台の端に、塗料で小さく雪花草を描いた。 これもそのうち、きっと。 夢を追い練習を重ねる毎に摩耗して掠れ、消えるのだろう。]*
(170) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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/* やっとこれたのに、回想ばっかで申し訳ない。 ざっくり見たら、ここは拾いたいなぁと思ってしまったので。 もっとロルを短くできる腕がほしい。
(-22) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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[>>153頭いいやつの揶揄を読解すること出来ずに、怪訝に眉を寄せる。 もし己の頭が回りくどい罵倒を解する程度に頭がよければ、トナカイへ朧の尾っぽを差し出すくらいはしてやったのだが 生憎とその言葉の意味を自力で解するには三日程度かかりそうだ。
朧に連れられてきたトナカイの首を掻いてやりながら、帽子の位置を正す姿をちろりと見て]
外でやりたい気分なんだよ。 星読みも……まあ兼ねちゃあいるが。
[アシモフに問われた時と同じように、曖昧な理由を口にした。
此方へ手を伸ばす姿に、スキットルを差し出しかけたが。 その前に肩を押され、へいへいと生返事しながら引っ込める]
そっちは実技か。塩梅は……
[と、反射のように訪ねかけて。 ここに不時着した相手にそれを訊くのは、些かシャレにならない意地の悪さだと気が付いて口を半端に開けたまま言葉を止める]
……まあ、本番は今日じゃないしな。うん。
(171) 2015/01/24(Sat) 20時頃
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[イアンは知らない。 真面目に机に向かう姿を見て、集中力の続かない自分が時々恥ずかしくなることや、 笑う時に目尻がちょっとだけ下がって>>147、それがじいちゃん先生そっくりで、 二人の笑顔は小さいころに憧れた絵本の中のサンタクロースそのもので、 ちょっとだけ羨ましくなることなんて。]
イアンが気付いてないだけで、いいとこやすごいとこなんて沢山あるって。
[羨ましく思える美点を含めて、丸ごとイアンだ。 嫌いになったり、僻むことには繋がらない。 純粋にいいな、と思ってそれを目標に頑張る。
しかし身長差だけは、ほんのちょっとだけだけど、――釈然としない。
プレゼントリサーチ担当に、頼むから選択肢の幅を増やして欲しいと願う。]
(172) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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サンタの卵だけじゃ不安だけど、調教師の卵や設計士の卵もいるもんな。 大丈夫!
[元気な声で笑い返す。 子どもに夢を与えるサンタクロースが、暗い顔ばかりしてはいけない。
窓の外、時々雪の上を反射する光が差し込む。>>148 誰かがすでに実技の練習を始めているようだった。 イアンの言葉に、ぱっと表情を輝かせて一も二も無く頷く。]
行く!ってか、そのつもりで今までノート覚えるの頑張って息抜きしたとこだったんだよ。 試験前だし、絶対やる!
[ノートとプリントとの睨めっこはもう懲り懲りだと 全身で主張して、跳ねるようにイアンの誘いに飛びついた。*]
(173) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2015/01/24(Sat) 20時半頃
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[ごく真面目に読書していたはずなのに、眠気の魔の手がじわり。 頭の中でサンタクロースの帽子を被った羊たちが、 柵をぴょいぴょいと飛び越え始める光景を幻視して。]
……ふわわわわ。
[おまじないを使った後は、羊たちの来襲は避けられない。
アシモフに貸しているハンカチには授業が終わった後も 夜中暖かさが持続するようかけ直したから、 計三回ともなれば誤魔化しにくくなってくる。]
(174) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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むぅ、いけないいけない。
[彼やアリスを放っておけなくても、明日に響いて 彼らに心配をかけることになるのが一番よくない。無理は 控えるけれどまだ寝るには早いと、首をぶんぶんと振って。]
…わたしが貰った手紙は、やっぱり載ってないよね。
[気分転換に別の所に行くか、いざという時はポーラの 所に行って眠気覚ましのお茶を淹れてもらおうか。
本をぱたりと閉じて、そのまま何も借りずに出入口へ。**]
(175) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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[伝わったら反撃を食らうからと、湾曲に努力は惜しまない。
何気なく馴鹿に真っ直ぐ伸びた手>>171を、横目に見て。 馴鹿は気が利くじゃないか、と蹄で床を蹴っていた。 調子の良いやつめ、と長く吐いた息は細く白く空に散り。]
明日、鼻を垂らして赤鼻を晒すなよ。 年を取ると抵抗力が落ちるからな。
[曖昧にぼかされた理由には踏み込まず、赤みを増した鼻先に 指を突き付けると、くるりとまぁるい円を描く。
煌めく銀に心は惹かれるが、帰っての楽しみだと言い聞かせ。 実技の具合を尋ねる声が中途半端に途切れ、取り繕う気配。 片眉を上げると、ぐり、と再度拳を捩じ込んでから指を組み。]
たまたま自由に飛ばれただけだ。明日は、大丈夫だろう。
[問題は、たまたまと称した塩梅の頻度の高さだろう。]
(176) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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/* 人数多いとあっぷあっぷしてしまうけど多角避けると 途端にぼっちになってしまうこの体質をどうにかしたいいい
(-23) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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[ちょいちょいと指先を動かすのは、考え事をする時の癖。 見えない糸を織り込む指を、静かに見下ろしていた。
複雑な編み方だと編み目を間違うため、編み方は単純。 三つ編みに二本三本と、糸の本数を増しただけのものだ。
極彩色、暖色、寒色と織り込む糸に籠めるのは、 目的だったり、感情だったり、思い出だったり…──。
はぁ、と息を吐くと同時に掌を握り締めた。 卒業を目前にし、隙間を縫って作り溜めた祈り紐。今も数本、ポケットに隠し持つそれらは渡す機会を逸していた。*]
(177) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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/* 何を言っているか分からなくなってきた (※割といつものこと)
ミナカタおっさん可愛いんで抉り込んでいきたい。
(-24) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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―室外― [吐くたびに白く染まる息。 凍るほどの温度の中、冴え冴えとして美しい月と星。
こんな夜空をいつか自分も飛べるだろうか、と胸が高鳴る。]
…あ、暴走ソリ発見。
[何故か校舎を一直線に目指すソリに、大丈夫かな、と思いはするけれど、 トナカイは賢い生き物だ。 きっと怪我はしないだろう。
目的の定まらない飛行ソリは、いつかの自分の失敗を思い出させる。]
(178) 2015/01/24(Sat) 20時半頃
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/* ……夜、どこに突撃しよう。
(-25) 2015/01/24(Sat) 21時頃
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―雪花草― [小さな頃から気がつけば、周りはサンタ一色だった。
『我が家で一番偉いサンタクロースはお母さんだよ、 だってお前たちみたいな宝物を与えてくれたんだからね。』
笑顔で惚気る父親はともかく、だ。
父母も、歳の離れた真面目な兄も手先の器用な姉も、皆サンタクロースの仕事に携わっている。]
あのね、俺サンタさんになる!
[幼子心に一番目立つ役職に憧れたのも無理からぬことで。 けれど、人よりもちょっとばかり小柄な体を心配された。
大型のソリを操るのも、トナカイを馴らすのも、もっと体力がいるんだよ、と。
夢を言うたびに諭される言葉に口をむうっと曲げた。]
(179) 2015/01/24(Sat) 21時頃
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[運動神経は悪くなかったし、 トナカイや照明代わりの虫たちとの相性も悪くなかった。
積み重なった小さな過信と焦り。
雪道で見落してはいけない影を見落して、そのまま衝突の勢いで意識は途切れる。]
(180) 2015/01/24(Sat) 21時頃
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