308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[店の裏にある小さな家へと入った。 動線を大きく取った室内には、元々物は多くなかった。 ハウスキーパーのドロシーが来たばかりだったのだろう。 床にも机にも書物が出しっぱなしだった形跡はない。 その中で唯一物が積まれているベッドへと向かった。
一人目の上着を取り、 二人目のマフラーを巻いた。 三人目のリュックには、 四人目の水筒と六人目の懐中電灯を入れた。 五人目は何も持っていなかった。
出て行く前に、使い込まれた様子の机の前に立った。 椅子はない。写真立ても、レターケースもなかった。 掌で木の質感を確かめると、手の形に埃が退き、 代わりに泥まじりの土と濁った色が線を引いた。]
あいしていたよ。
[返事をする者は、どこを探しても見つからない。]
(+39) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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ん? なんだありゃ。 [普段、車で走っている時には、 あぜ道には人っ子一人いない。 たまに誰かがいても、トラックやバイク等、 何かの乗り物に乗っていることが多かったのだが、 その日は遠めに雷門さんが歩いているのが見えた。] おいおい、1人で出歩いてて大丈夫なのか?
[せめて自宅まで乗せていってやった方が いいかもしれない。 窓を開けて、おーい! と呼びかけようとして すんでのところでやめた。 慌てて窓を閉め、車を停止させる。]
(19) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[トラックの運転席へ足をかけた。 取り替えたタイヤが凹んだ土をしゅわり、轢いていく。 ラジオのボタンを押すも、ノイズすら聞こえなかった。]
――♪
[だから歌を歌おう。 何もないこの場所で、歌詞も知らない誰かの歌を。
トラックは、先の見えない道を進んでいく。]**
(+40) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[雷門のじーさんは、 杖がなきゃ歩けなかったはずだ。
今朝は何の連絡もなかったのに。
俺の目が間違ってなけりゃ、 じーさんは何も持たぬ両の手を 前の方へだらりとたらし、 ふらふら歩いてる様子がみてとれる。 こっちにはまだ気づいていない。
――畑のある方へ向かっている。]
(20) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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……歩けるように、なったのか?
[もしかしたら万が一、いや、 億が一ぐらいの可能性で そういうこともあるかもしれない。 それならいい。 それならいいんだが。
確か、体液に触れるとだめ、だったか。 考えが及んでいなかったが、 例えば、野菜に付着した体液の経口摂取でも あるいは、感染してしまうのかもしれない。]
(21) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[ゾンビを殺したら ひとごろし?]
(22) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[いつだったか、随分前に そんな投稿がされていたことを思い出した。]
くそっ、
[ハンドルに拳を叩きつける。 ふーっと息を深く吐き出してから、 首に巻いていたタオルを外し、 頭の後ろでしばるようにして、目から下を覆った。 軍手をして、助手席においていた鎌を手に握りしめる。]
(23) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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『目が悪い』『音に反応して攻撃してくる』 『頭部殴打で死ぬ』『足は速い』
[SNSに投稿されていた情報を一つずつ思い出しながら、 車のドアを開いた。
それほど大きな音を立てたつもりもなかったが、 バンとドアを閉める鈍い音が向こうまで届いたのか、 じーさんはびくりと肩を震わせ、一瞬動きを止めた。
ぬるぬると、滑りそうになる鎌の柄を両手で握りなおす。 目が合った、瞬間。 こっちに向かって走り出してきた。**]
(24) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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/* タイミング見てたけど結局挟んでしまったお邪魔しています。
チップの人物以外の視点を持ってくるの分かりづらいかな……と悩んだ時期もありましたが、そもそも最初にやってしまっていたので諦めました。 一視点だけの一人語り難しかった……! 生きていれば何とでもなった気がするんですが、ダイスがそう言っていたので……(?) もっと書き方勉強しよう。
緩やかな滅亡エンドの方でしたね。 どっちに転ぶか分からないシステム、面白かったなぁ。
(-12) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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/* 村建て文まちがえとるな? エピで載せる予定やったやつ今日載せてるんだけど????? あばばばば
(-13) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[ そこには何かが立っていた。]
(+41) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[ はじめに目に入ったのは、 ぼとりと無造作に取り落とされた、 赤と肌色の入り混じった物体だった。
よく見たらその先端は五つに枝分かれして、 つまり人の手と同じ形をしていた。 ほんの今まで齧りつかれて ところどころ白い骨が見えていた。
ひいっとジャーディンが小さく叫んだわ。 すると、ゆらゆらと揺れていた細い影が、 首を無理やりに傾けるようにこちらを見た。 そして、わたしたちを見つけた。
ず、ずずと足を引きずって、 それはゆっくりとこちらに近づいてくる。 穴の開いた顔をこちらに向け、細い腕を伸ばして。]
(+42) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[ ああ、ノーリーン。]
(+43) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[ ……まるで誰かを探しているようだった。]
(+44) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[ 足がすくんでいる様子のジャーディンを、 わたしはぐいと逆方向へと押したわ。 ノーリーンがやってくるのとは逆へ。
奇しくもそれはリビングのほうだった。 キッチンの勝手口を抜けてガレージに行ける。]
いいわね、隙を見て車を出しなさい。 そして逃げるの。どこか遠くまで。
[ わたしがこれだけ言うのに、 ジャーディンはいやいやと首を横に振った。 わたしの腕を引くの。強い力で。 その間にもノーリーンは距離を詰めたわ。]
(+45) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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──行きなさい、ジャーディン!
(+46) 2020/10/26(Mon) 22時頃
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[ わたしは強い口調でそう言った。 ノーリーンははっきりとこちらを見ていた。
いっしょに行こう≠チて、 この期に及んであの子が駄々をこねるの。 でももう無理よ。見つかってしまったもの。
この廊下の先に続いているのはリビングで、 そこにはチビちゃんたちがいるはずなのよ。 そんなの、だめに決まってるじゃない。
ジャーディンときたら、 本当に一度言い出すと聞かなくてね、 きっとこれは娘に似たのね。だって……、 あら、この話って前にもしたかしら。]
(+47) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ つまり、仕方がなかったの。]
(+48) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ わたしはノーリーンの眼前に、 自らの左腕を勢いよく突き出した。 ああ、少しかっこつけちゃったわ。 みっともなく腕は震えていたんだもの。
ノーリーンがそれに、 素早く崩れかけた顔を寄せるのと、 ジャーディンが何かを叫びながら、 千切れそうな勢いでわたしの腕を引くのと。
たぶん、ほとんど同時だったわ。 わたしの体はふたりで半分こできないし、 つまり、わたしは彼女に噛まれた。]
(+49) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ いのちにも優劣はね、あるのよ。]
(+50) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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「おーーーい、ペンキ持ってきたぞ!」
よっしゃレン、ナイス! んじゃ頼む!
[白いペンキを持ってきたダチ、レンの前に、皆、学ランを広げた。 レンはその背に、大きく一文字、漢字を書いた。]
『斃』
[無駄死にになるかもしれない。 むしろその可能性のほうが高い。 それならば、せめて一矢でも報いたい。]
(25) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ こんな皺くちゃでまずそうなお肉で、 なんだかちょっと悪いわねえ、ノーリーン。
もちろんその瞬間のわたしに、 そんな余裕なんてこれっぽっちもなくて、 わたしは喉が張り裂けんばかりに叫んだ。
お隣のご主人、 よくクーパーに噛まれて堪えたわよね。
わたしなんてもう半狂乱になっちゃって、 ジャーディンが一瞬怯んで力を弱めたくらいよ。
ひいひいとわたしはあえいでいたわ。 痛くて痛くて泣いちゃいそうなくらい。 でもね、わたしの顔を覗き込むあの子が、 あまりに痛々しい顔をしているから、 ほら、Nanaとしては泣いてられないでしょ。]
(+51) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ ノーリーンはまだわたしに夢中だった。 わたしという肉に。今がチャンスだった。
一向に動く気配のないジャーディンに、 わたしは声を詰まらせながらも言ったわ。]
……行くのよ、ジャーディン。 どこか、どこか遠くまで……、 そうね……、西がいいわ。 ずうっと西へ……どこまでも…… それが、わたしの最後のお願いよ……
[ いつもお願いを聞いてくれたじゃない。 とうとう涙をこぼしだしたジャーディンに、 わたしは何と言ってやればいいのかしらね。
ねえ、これがわたしの最後の役目だとしたら、 わたし、本当に光栄よ。信じてくれるかしら。]
(+52) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ けどね、わたしも人間だから、 最後に少し欲が出ちゃったのね。
お別れを惜しんでいる暇はないというのに、 最後にどうしてもこの手であの子に触れたかった。
痛みで全身がひきつけでも起こしてるみたいに、 無事の右手を伸ばすのも一苦労だった。
今日はちゃんと撫でさせてくれるのね。 少し固い髪も、丸みの減った滑らかな頬も、 全部全部、わたしの宝物だったわ。
わたしがいなくなっても、わたしの宝物を、 この広い世界を漂う見知らぬ誰かが、 守ってくれますように。愛してくれますように。]
(+53) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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……あなたはとても素敵な子だもの。 きっと助けになってくれる人がいるわ。
(+54) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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愛してるわ、ジャーディン。 あなたのことが大好きよ。 ……だからどうか、生きて。
(+55) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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あなたが生きていることが、 わたしにとっての幸せなの。
(+56) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ ……ようやく決心がついたように、 ジャーディンはゆらりと立ち上がったわ。
あんまり痛いやら悲しいやらで、 もうこれ以上目を開けてたら、 とめどなく涙が出てきそうだったの。
だからわたしは目を閉じたのね。 わたしが泣いたらやさしいあの子は、 心配して戻ってきちゃいそうでしょう。]
(+57) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ 足音が遠ざかっていくのを、 暗闇の中で懸命に聞いていたわ。
少し離れたところで、 あの子がウィレムとゾーイを呼んだわ。 ずいぶん焦った声で何か言ってる。 ああ、オッドもいたのね。よかった。 ぱたぱたといくつかの足音が遠のいてく。
ねえ、ノーリーン。 安心してね、あの子やさしいの。 一人っ子なのに面倒見がよくってね。]
(+58) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ ……ああ、ジャーディン。 もうやさしくなんてなくたっていい。 お利口になんてしなくていいのよ。 だからお願い、生きて。どうか生き抜いて。]
(+59) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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