270 食人村忌譚
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[江津子おばさんと別れたのち、 未だそれなりの重みを持った風呂敷包みを片手に私は走る。
さて、次はどこに向おう? 学校にでも向かって、熱心に勉学に励む青年に 差し入れするのも悪くない。 ついでに夕飯の希望でも聞いてみようか。 食べたいものがあるというのなら、 腕によりをかけて作って見せましょう。
あぁ、それから。 香草が切れかけていたし、ミナカタさんの所に もらいに行くのもいいかもしれない。 彼が採ってきてくれるものはどれも質が良い。 等価交換、引換となる農作物は後日にと言えば、 何ら問題はないだろう。]
(43) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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[そんなことを考えながら、集会所の前を通り過ぎようとして、 ふと、見なれた着物姿>>17に足を止めた。 ぱたぱた、足先で飛び跳ねる裾に視線が向く。]
さくちゃん。 何かあった?元気ないね。
[年が近く、気兼ねなく話せる彼女へと付けた渾名で 彼女を呼んで石段を上る。 元気な足元とは裏腹に、彼女はどこか覇気がない。
その理由に思い至ったのは、生来の気質から 親のいなくなった彼女の世話を焼いてきたからだろうか。 櫻子の隣に腰かけた私は、 ごそごそと風呂敷包みを解いて、 中から小さなお弁当箱を取り出した。]
(44) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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良かったら食べて。 きっと元気出るよ。
[揚げたてのから揚げおにぎりと、野菜の煮物が詰まった弁当。 自信作なんだよ、と差し出したそれは、 彼女の手に渡っただろうか。
どちらにせよ、私の眼は、彼女の薄らと膨らんだ腹へ― ―それが示す意味へと向いていた。]
(45) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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[初めての記憶は、苦々しさに満ちていた。
相手が悪かったのか、或いは相性が悪かったのか。 女としての悦び、幸せという言葉とは程遠い痛みに 終始すすり泣いていたものだから、
以来、やれ畑仕事だの、やれ先客がいるだのとで、 私は、のらりくらりとそういった行為を避けていた。]
(46) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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[隣の櫻子と、自分の手を見比べる。
畑仕事に勤しみ、鍬や鍬を握った手は 嫋やかとは言い難い。 日に焼けた肌は、透き通るような白とは言えず。]
さくちゃんは、綺麗だね。
[ぽつ、と呟きを零して、へにゃりと笑みを浮かべた。 嫉妬なんかない。ただ、羨ましいだけ。**]
(47) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 19時頃
PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 19時頃
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/* ミナカタさんとゆりちゃんのやり取りめっちゃ色っぽい すき
ところでいるる=容って、文字通り包み込むとか 他人を広く受け入れるような人たれって 感じの名前らしいんだけど こういう設定になってるのすごいアレ(どれ)(趣味)
(-4) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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/* えろぐろ村とかで散々人喰ったりキリングしたりしてきたけど 結構えろが強いえろぐろ村は初なのでドキドキしている
みんな色っぽいし文章すき……かっこええ
(-5) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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[きし、がらがらがら。 男の接近は、いつだって、音で知れる。 砂利道を進む、粗末な車椅子の音であったり、木の床を叩く杖の音であったり。畳を這いずる音であったり。
十代の頃に、両の脚を患った。 当時はまだ、走れなくなる程度だったが、機能は年々衰えて、 今や杖と車椅子無しには生活できない身だ。 だが、この程度の進行で済んでいるのは、村の人々が施してくれた、様々な“治療”のお陰だ。 少なくとも男は、そう信じている。]
(48) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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─ どこかの畦道 ─
[がらがら、がつん。 車椅子の車輪が、小石を弾く。 その音に驚いた野鼠が、何処かへ駆け逃げて行った。]
あぁ、悪い。 驚かせ
…………つぅ……。
[言葉を切り、蹲る。 冷してしまったか、それとも振動にやられたか。 膝の関節が、またひどく痛みだした。 そういえばここしばらく、治療を施してもらっていない。]
(49) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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ぅぐ……。 まいったな、兄さん、忙しいだろうし。
[兄はいま、どこで何をしているのか。 尤も、母は違うし、父も同じという確証はない、単に昔からそう呼んでいるだけの存在なのだが。]
…………膝、痛い、な……。
[がらがら、がた。 薬を飲むため、ひとまず家に帰ろうと、車輪にかけた腕に力を込めるが。 でこぼこな砂利道は、ひどく、膝に響いた**]
(50) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 20時頃
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/* きたろうさんだよ!!!!!
久し振りの村なのです!
(-6) 2017/11/21(Tue) 20時頃
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― 学校 ―
[こんな村にも学校は在る。 校舎などと呼ぶのも烏滸がましい小さな平屋建ての建物、その中にあるたった一つの教室で教鞭を取るのが己の仕事だ。
黒板に描くのは逆さに吊るされた人の姿。 指示棒で首を示し、血を抜く時に切る場所を教え。 その他大きな血管の通る場所や人の急所を教えていく。]
排泄物を処理してから始めるのが望ましい。 ですがそう出来ない事もあるでしょう。 なら、その時は腑分けをして。
[汚物に塗れた内臓を好んで食す人もいる。 腸などは丁寧に水で洗い煮込めばそれは大層美味しく。 薬師のミナカタに頼めば匂い消しの香草を貰う事も出来る。]
(51) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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内臓は傷むのが早いですから、そういった点でも先に内臓の処理をする事が大事です。
[話しながら視線はこちらを向いていない進へと向いた>>36 若い者にとって興味をそそる内容ではないのだろう。 気の向くままに刃を振るい、或いは首を縊り絞めてしまえばそれで事は済む。 その後は好きに喰らえばいいのだ。]
人の部位は様々な食感、味がしますがどこが一番美味しいか。 それは人それぞれ好みでしょうから一概にこれと言える部位はないんでしょうが、私は目とその周りの抉りだして食べるのが好きです。 次点は心臓でしょうか、続いて脳髄です。
その人の見たモノ、感じたモノ、生きていた証を感じられる部位ですから。 まるで私の中に染み渡るようなそんな心地がするのですよ。
さて、そろそろお昼時ですし集中力を欠いている者もいるようですし今日はここまでとしましょう。
[少ない生徒を見渡し授業の終わりを告げた。]
(52) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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[この校舎には小さな、図書室と言うには本当に小さな書物を集めた部屋が在る。 そこに籠るのが男にとって安らぎの時間であった。
この部屋にある書物は外部の者が見れば随分と偏っていると感じるだろう。 人の構造について書かれた医学書。 薬草について書かれた書物に、性交について書かれた春画。 そこに娯楽と呼べるものは見当たらない。 だが男にとってそれは娯楽に等しいモノではあった。
一冊を手に取り、ぱらりと頁を捲る。 そこに載っていたのは様々な病気について。]
錠は……、
[そろそろ薬の切れる頃合いだろうか。 最近満足な治療を施していないようだったが大丈夫だろうか。 心配ではあるが彼も子供ではない、何かあれば誰かしらに助けを求めるだろうし、そうなる前にどうにか家に辿りつく事も出来るだろう。]
(53) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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[錠とは一応は兄と弟という事になっている。 事実は定かではない。 腹が同じならば確実にそうだと言えるのだが、種が同じという事を証明する事は難しい。 しかし兄弟であるという情がそこに在るのならばそれでいい。 特別に可愛がる存在がいるという事は悪い事ではないのだから**]
(54) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―村中―
[清らかな風が、髪をさらってなびかせている 乾き切らない血糊が冷えて、歳を重ねた体を凍てる 両の手を胸元で重ね、身を小さくし歩んでいると、 目に入るはこちらに駆ける、活力を感じる、彼女の姿>>12 普段の微笑みを顔に浮かべ、胸の前で小さく手を振り返した]
お疲れ様です 容(いるる)さん
[「食べて」と差し出されたのは、小さく温かなお弁当箱>>13 とっさに、いいんですか と受け取りながらも、よぎるのはかすかな逡巡 私より、きっと食べざかりなススムさん>>35の方が―――― そう、ほんの一時思えども、両の手に宿った温もりが、離さない]
(55) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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ありがとうございます 温かいですね とても、嬉しいです
[かすかな迷いは霧散して、深々とお辞儀を返す 風呂敷包みのその中にまだある>>45のは 見えたから 彼女に宿る「好き」のこと>>11も、きっと気づいていれたから]
はい もちろん それと……今日、牛のお肉をいただける>>9ので、 私の方からも、お福分けをさせてくださいね
[手を振り去りゆく容>>14を見送る お弁当を抱いているせいで、さっきよりも小さく手を振り返す
遠ざかる元気な背中
そんな姿を見つめていると あの頃のことを、思い出す――――]
(56) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―回想/遠き日―
[“熊を仕留めたやり方を教えてほしい>>12” 幼い彼女が訊ねてきたのは、江津子の膝の上だっただろうか 経緯は詳しく覚えていないが、今日と同じような道端で、 容を乗せて、腰をおろしていた時だった そうですね と、一呼吸をおき、言葉を紡ぐ]
つぅよい方と、正面から向き合ってはいけません かといって、背中を見せたり、捨て鉢になったら、それまでです
[そう切り出して、彼女の髪をそっと撫で]
つぅよい つぅよい お方のことは まぁるく 削いであげるんです
[唄うように、語りだしたのだった]
(57) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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前のあんよを 斬りつけて―――― 後ろのお足を断ちましょう――――
四肢を バッサリ 斬り断てば――――
[幼い頭に顎が触れるほど、抱きしめて 馴染んだ子供のあやし声]
ごぉろん ごぉろん ダルマさん――――
ごぉろん ごぉろん ダルマさん――――――――――――
―回想/遠き日―
(58) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―村中―
[記憶に導かれるように、あの時と同じ、道端へと腰を下ろす 幼子の代わりに、膝にはお弁当箱を乗せ、 まだ温かいそれを開けると、蓋についていた水滴が、つつっと中へと落ちてきた]
おにぎりさんと 煮つけさん それと――――――――
[くすりと微笑み取り出したのは、赤い実のついた小さな小枝]
あぁかく色づく 南天さん
[彩りを添えてくれたのか それとも窓から吹いた風>>10の、いたずらか つまみ上げて陽に透かすと、思い出すのは別の人 かつて『指導』>>42を施した、少年だったミナカタのこと]
(59) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―回想/遠き日―
『江津子を抱くにゃ 命懸け くわばわ くわばら 斬りつけられる』
[そんな風評が立っていたのも、今は昔の語り草 刃傷沙汰なんていうほどに、大げさな話じゃない 強引に迫る相手の断りに、愛用の道具を用いただけだ
今晩は ごめんなさい
そう微笑みながら、相手の首筋にあてた鉈を、 ゆっくり引いたお断りが、幾度かあっただけのこと
選ぶのは江津子だ 人肌恋しい夜もあれば 孤独と添いたい夜もある]
(60) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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子供が目を覚ましてしまいますから あちらでお願いいたします
[ミナカタと重なったのは、ちょうど、こんな季節のことだった 離れの物置小屋を指し示し、すぐに参りますと言葉を加えた あの時分でも、十分年増であった江津子のことを、 なぜミナカタが求めたのかは、分からない]
お待たせしました
[そして、追って小屋へと向かう前に、どうしてそれを手にしたのかも、我がことながらに、分からない 両の手で胸元に掲げていたのは、玄関をかざっていた南天の枝]
優しくしてくださいね
[そうだった 窓からそよぐ月明かりを浴びながら、 あの夜は、彼を導きながらもなお、耳元で幾度も囁いたのだった]
優しく 優しく してくださいね
―回想/遠き日―
(61) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―村中―
唐揚げ、ですね
[いただきます と両手を合わせたその後に、 さっそくおにぎりを口にし、呟いた 南天の実を蓋によけて、ゆっくりと噛みしめる]
煮物も、本当にお加減よく
[手づかみで頬張りながら、うなづいた]
とっても、おいしいですよ 容さん
[立ち替わりに浮かんだ思い出とともに、 ゆっくり ゆっくり 咀嚼する――――**]
(62) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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/* ミナカタさんと、ショタイねぇもう! 加えていただけるとは思わなかったw
熊殺しに触れていただいた容さんにも感謝! いえ、灰の突っ込み用ネタだったんですがw
先生―生徒の関係とか、ええなぁと思いつつ ではでは
(-7) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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/* 名前をどうするか一か月くらい真面目に悩んでたんだけど、どうにも思いつかなかったので普通に石動です。 きっと大昔、この村に石動という姓があったのを無理矢理名前にしたんでしょう、という事にしておく。
ところで食人について調べたんですが人気の部位は目玉の周りだそうですよ。 不人気なのは乳房だそうです。 脂肪はあまり美味しくないのですかね。
(-8) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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[私の耳元にミナカタの甘い言葉が囁かれる。 身体を抱き寄せられ、 袴の隙間から差し入れられた指は>>39 湿った茂みを優しく掻き分け、蜜壺へと達した]
……んっ、
[じわりと滲み出る愛液に、思わず顔を上気させる。 優しく掻き回され、じらされて。 蜜壺から引き抜かれる指先に、 一抹の名残惜しさを感じた]
祓所へ参りましょう。お清めを。
[蕩けそうになる身体を必死に抑えて、 あくまで巫女としてミナカタを祓所へ導く]
(63) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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[歩きながらも、>>42 ミナカタに肩に手を回され身体を密着されれば これからの行為への期待感から胸が高まった。
“ゆり様”。 巫女を継いでから、 村人たちにそう呼ばれる機会が増えた。 母が死んで、自分の立場は大きく変わった。
あるいはミナカタのように 巫女として、大人の女性として自分を扱う者もいれば。
あるいは進のように 巫女へのまぐわいを避けて 以前よりもよそよそしくなる者もいた。
神に仕えることは、孤独だ]
(64) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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『きっとあなたは良い巫女になるわ』 『ゆりは石動さんに似ているもの』
[幾人かいる母の子の中から 私が後継者に選ばれたとき、確かにそう言われた。
日々、沢山の男とまぐわっていた母だ。 実際のところ、私の父が誰かなど分かりようがない。 それでも、母は確信を持って 私の父は石動だと言い切っていた。 不思議と私も母の言葉を信じ、 石動を父として見ていた。
私は、果たして巫女に向いているのだろうか。 女としての悦び、幸せを理解できない 姉妹>>46と比べれば 確かに私は適任であろうが]
(65) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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