157 南十字四丁目
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[津波の音が轟轟と響く間は、何も出来なかった。 やがてそれが沈静化し、 累々と、水圧になぎ倒された建物が広がる景色をぼうと見る]
……クリス先生
手伝えること、ある?
[あの水の魔獣に抗う術はないけれど 魔獣の爪に傷つけられた人を 癒す手伝いができたらいいと、そう思った。 少しでも油断すれば歪みそうになる顔。 だけどあたしは、かっこわらいちゃんなんだ。 笑顔は難しくても、泣いてばかりはいられない。]
(@30) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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[笑美に手伝ってもらえることはあるだろうか。 自分自身、器具がなければ出来ることも限られているのだ]
そウ、ですネ……
[灰色の獣はいつかは去っていく。 その時は村に降りて救命活動を行うことになるだろう]
今はゆっくりと身体を休めてくださイ アレが去った後ニ、お手伝いしてもらえますカ?
[眠れなくても横になっているだけで良かった。 火を起こして暖を取るのも大切なことだった]
でモ、もし今元気がありあまってるなラ…… お爺ちゃんやお婆ちゃん、子どもたちに話しかけてあげてくださイ ついでに薪になりそうな枝も拾ってくれるとGoodでス
[それでもじっとしていられないなら、誰かとお話していることで気も紛れる]
(@31) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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うっす! 体は大丈夫、今やれることをやるっす!
[多分、休めようとしたら悪い夢しか見られないだろうし、動いていれば少しはいやなことも忘れられる。]
お話と枝拾いと……そっか、こんな状況でも できることってたくさんあるんだ。
[大きく頷き、まだ元気そうな人たちに薪になる枝拾いを手伝ってもらうことを頼んだ後、泣いている子どもに近づいた。]
(@32) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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どうして涙がでてくるかわかる?
[みんなが泣いてるからだよ。 少年はそう言った。 自分はぽんぽんと少年の頭を撫で]
きみが泣いてたら、みーんな悲しくなっちゃうっしょ? 笑えとは言わない。でも男の子なら、我慢しろぉ ほらっ。
[ポケットから取り出したハンカチで涙を拭いてやって。少年の保護者だろう男女が、頭を下げてくれた。]
(@33) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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[笑美が元気よく離れていく姿を見送ると、...は再び村の方へと視線を向けた。 目を凝らすが灰色の獣がどこまで駆け廻っているのかは暗くて良く見えない]
やっぱリ、夜明けを待つ必要がありますネ……。
[二次被害も考えられる中で夜中の行動は控えた方が良いだろう。 消防団員のところへと赴き打ち合わせを済ませると同じ意見のようだった。 田舎の村なので彼らの人数もそう多くはなく、また姿を見ない者もいるらしい]
そウ、ですか……それでハ、また夜明けニ
[若い人手が足りていない。 夜の出来事ということもあり家の中に居た者も多かったことだろう。 本当に、本土からの救援を待つしか手はなさそうだった。
...は焚き火の近くへ座ると、静かに瞼を閉じた]
(@34) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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――夜更け――
[非難する人の誘導も一区切りついて、 山の中腹では幾つかの焚き火の周りに 避難してきた人々がつかの間の休息をとっていた。 村の人口の、何割が……ここまでたどり着いただろう。 夜明けの頃には本土からの救援隊も到着し、本格的な搜索や治療が始まる。 ある意味それからが地獄であることも覚悟はしていた。]
……。
[焚き火のそばで目を瞑るクリスの隣に腰を下ろすと、ふっとため息をこぼしながら、彼女の肩に寄りかかる。]
(@35) 2013/12/22(Sun) 17時半頃
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― 夜明け ―
ン……
[肩への重みに意識がまどろみの世界から戻される。 薄らと瞼を開き、重みの元に視線を送る]
……笑美さン? どうカ、されましたカ?
[焚き火の傍に居たとは言え、外気に晒され続けていれば四肢の末端は冷え込んでいた。 これが本土ならば凍死してしまう方も居たことだろう]
寒くありませんカ?
[...はコートの袖から片方の腕を抜くと、笑美を内へと招き入れた。 自らの体温で笑美の身体を温めながら、ゆっくりと、返事を待つ]
(@36) 2013/12/22(Sun) 20時頃
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あ、起こしちゃった……?
[傍のクリスの顔を見上げ、日本人離れしたその綺麗な顔立ちにドキっとする。]
少し寒いかな……あ、せ、先生?
[おんなじコートに包まれ、少しだけ赤い頬は焚き火が照らすからだけではなくて。ふにゃっと相好を崩して、クリスに身体を寄せながら小さく言葉を紡いでいく]
あたしね、この村に好きな人がいて …こんな災害が起こるなんて思いもしなかったから、気持ちを伝えるなんて考えてもいなかった。
だけど、こんな状況で――……
[人がたくさん、死ぬことになって、と、悲しげに呟く]
(@37) 2013/12/22(Sun) 20時半頃
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でも、
[コートの優しい体温の中で]
その人が生きててくれたことが、 本当に嬉しかった。
[柔らかい口調で言うも、双眸は伏せたまま]
残酷っすよね、こんなの。 自分だけ幸せになりたいとか考えてない。 だけど、でも、やっぱり 誰でもないその人が生きてて本当に安心した。その人が命を救おうとしてる姿に、心を打たれた。
……あたし、
(@38) 2013/12/22(Sun) 20時半頃
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クリス先生が大好き。 生きててくれてありがとう。
[少し見上げて、はにかんで、そっと彼女にもたれ掛かる]
それ以上のことや返事を求める資格なんかないって思ってる。生きててくれた、それだけで十分なんす。
……みんな悲しいのにな。 大切な人を失って悲しいのに、 そんな中でも助かった命があって嬉しいって思う。 それが、せんせいで、本当に…… [言葉に詰まるのは、助かっていない人、行方のわからない人を思えば、こうして喜ぶことすら、罪に思えてしまうから――]
(@39) 2013/12/22(Sun) 20時半頃
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いいエ、そろそろ起きる時間ですのデ
[水平線から太陽が顔を出し始めれば、獣に呑まれた村の様子が見えてくるだろう。 ぼんやりとした目でそちらの方に視線をやろうとして、笑美の言葉に再び視線を向けた]
そウ、なのですカ それは良かったですネ、想いは伝えなければ伝わりませんかラ
[きっと昨夜の間に逃げ出してきた人たちの中に居て、無事に会えたのだろうと相槌を打つ。 きっと消防団か自警団の人なのだろう。 元気な笑美が好きになった人はどんな人なのだろうか。 そんな思いを馳せていた。 だから、次に発せられた言葉に眼を見開いた]
(@40) 2013/12/22(Sun) 21時頃
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……エ? …………えエ? ………………ええっト?
[今、笑美は...のことを好きだと言った、だろうか。 いや、言った。 頭の中が混乱してきて、良くわからなくなっていた。
笑美のことは好きだった。 祖母が亡くなった後、ご飯はずっと外で買ったものだった。 コンビニを営んでいる笑美の家にはお世話になっていると思っている。 そこで元気よく迎えてくれる笑美のことも快く思っていた]
あノ、ですネ……笑美さン
[自分のこの気持ちはlikeなものなのだろう。 でも、告白されれば意識してしまうもので――]
生者は死者の分まで生を謳歌する責任があるのでス 資格とカ、必要ありませン
(@41) 2013/12/22(Sun) 21時頃
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[笑美はずっと一緒に居てくれるだろうか。 祖母が亡くなり、ずっとどこかで寂しい思いをしていた。 笑美がずっと一緒に居てくれるなら、それは幸せなことだろう]
私はドクターでス、私は皆の命を助けたイ だかラ……一件落着したラ、看護師の資格を取って…… ずっト、私と一緒ニ、私を助けて欲しいでス
[その瞬間だけは、医業を担う者としての意識が少し薄れてしまったかもしれない。 ...は擦り寄る笑美の頬に唇を触れ、少しだけ強く抱き寄せた]
(@42) 2013/12/22(Sun) 21時頃
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[>>@40一瞬誤解されたのも束の間 >>@41驚いたような声をあげるクリスに、]
せ、せんせ……ごめ、いきなりこんな
[改めて、想いを告げてしまったんだと自覚して赤くなる。忘れて!と笑顔で言ってしまえたらよかっただろうかと考える。相手を困らせるのが一番嫌だったから。 けれど、資格は必要ないと、そう言ってくれる彼女に、やっぱり状況を理解して、人生というものを経験して――そんな大人な彼女にも憧れを抱くし、可愛らしい表情も、患者さんを救おうとする真摯な態度も、やっぱり好きだと、強く思う。]
(@43) 2013/12/22(Sun) 21時半頃
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[お医者さんという職業に誇りを持つクリスが好きだ。 そんな立場だからこその苦しみもちゃんと受け入れるクリスが好きだ。 村の人たちに優しいクリスが――大好きだ。 >>@42 そしてその立場からの言葉には、少しだけ瞬いて、ふにゃっと笑う]
クリス先生がそう願ってくれるなら あたしは、頑張って看護師にもなるし 先生のことを支えたいって思う! だいじょぶ、あたしはずっと先生の傍に、
――ふわ?
[頬に触れた柔らかい感触と、抱き寄せられる温もり。 かぁっと赤くなるが、それが彼女の思いなのなら――嬉しくて、顔がにやけてしまう。]
(@44) 2013/12/22(Sun) 21時半頃
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ありがとう。 あたし、頑張るから! みんなのため、自分のため、先生のため、 ……あたし、ちゃんと生きてくよ。
[ぎゅっとクリスを抱き返し、 お互いの体温を分かち合って、 今は状況が状況で、甘い言葉や行為に溺れる場合じゃないのはわかっていたけれど、それでも少しだけなら――と、彼女の頬にキスを返した。
それから程なくして、本土からの救援隊のヘリコプターの音が聞こえ、白んだ空にいくつもの希望の光。 あの災害の後でも、まだ助かる命があるのなら。 ――救いに行こう。]
(@45) 2013/12/22(Sun) 21時半頃
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[頬への感触に目を瞬かせた]
本当ですカ? ア、でモ、でもでス まずは自分のために生きてくださイ
[それはとても大切なことだから。 その上で、ずっと一緒に居てくれると嬉しい。
細身の笑美の身体は元から温かいものだったのだろう。 その温もりに触れながら、救助隊がくるのを待った]
(@46) 2013/12/22(Sun) 23時半頃
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