204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[また、彼に食べられたい。 鋭い歯で肉を破かれて、血まみれの手で腹の中を弄られたい。 唇を、血が出るほど噛まれたい。 眼球の奥、誰も触れたことのない場所まで指先で抉られたい。 中身を全部曝け出して、彼に見て欲しい。 彼だけに、見て欲しい。]
…………。
[しかし、彼に、今の姿は見えない。 見えたところで、食われる為の身体が無い。 ニコラがトレイルの手を引いて去っていく。 ラルフの遺体を複数の人間が見て、一様に悲しげな顔をする。
その光景を見ながらディーンは、ラルフが死に至る理由を悟る。 ――彼は、多くの人に愛されていたのだ。]
(+30) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[バーナバスの後ろを歩いて、居間に着く。 獣の唸り声>>178にぎくりとバーナバスの後ろに隠れた。 言いつけ通り、傍を離れず話を聞いているが、血の匂いとその状況に理解が追いついていない。]
(221) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[ノックスは、いなくなっただろう? 僕たちで、何とかしないと。
そう、ゆっくり唇を動かして 焼けば食べられないかなと、提案する。 いくつか、食べられそうなところを切り身にして 火に炙ったあと、塩でもかけたらどうだろう?**]
(222) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[>>211 ドナルドはくちびるだけで だいじょうぶ、だと形作った。
でも だいじょうぶなはずなんて、ない。
ずっと、大切な仲間だったのだから。 だいじょうぶなはずなんて ないのに。
自分さえ
そうなのだから
――気遣っての 遠慮しての ことだろうか]
(223) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[物語は起こり、展開していく。 展開していくにあたって特に重要なのは事件だ。 たとえば、その時点では倒しようのない敵が現れる。その敵を倒す為に、登場人物たちはアクションを起こす。 或いは皆から愛される誰かが死ぬ。それによって、彼に向けられていた感情が登場人物の思い思いの方向へ分散していく。
ラルフの死は、物語が展開する為の、重大な事件だ。 展開は変化を呼ぶ。 変化しない登場人物は――いない。]
(+31) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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/* 成程。恋に落ちてしまったと、それで喰らっても良かったのか。でも、ニコラの件もあったのに、ラルフをおとすようなこと、同じことをしても良いのかなとか。 ……あ、本能が命じた、ね!
その方が、きっとラルフを食べたことを許して貰えていたのかな……。
大人なのに獣に堕ちたと撃たれそうな気がしてた。
(-61) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[フランシスとドナルドが、フィリップを慰めるのを見る。 彼らなら、と思ったとおりの行動に、 そのままフィリップの悲しみが少しでも薄れればいいと思う]
……忘れて欲しいわけじゃないけど。 哀しいままでいて欲しくないな……
[わがままな感情をぽつりとこぼし。 オルゴールの話に、三階の荷物の中にある宝物を思い出す。
そういえば、最期のとき、オルゴールの音色が聞こえた気が、した]
(+32) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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/* 居なくなった! 消えた!
(-62) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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ーーーーーー……………っ
[暖かい手が背中 撫でるから 耐えられずーーー孔雀石から 滴がこぼれ落ちる]
…………う っ
[堪えようと 強く目をつぶる]
(224) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[躊躇する間もただじっと待っていた。 袖を掴む手指の赤はラルフのもの。 フィリップの動きに応じて ドナルドは震えるその背を抱き寄せる。]
――…よしよし。 お前さんがかなしいのも分かってる。 苦しいのもわかってる。
[彼と自分の悲しみが同じとは言わない。 その感情は当人だけのものと考え]
あんま噛みしめンなよ。 ――…ほら、痛いだろ?
[フィリップの口許を親指の腹でなぞり]
(225) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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――――…。
[けど、なんて言葉は、 ふっと吐息だけで笑い聞こえないふりを決め込む。]
(*40) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[――彼も、変化を免れないのではないか?
浮かんだ疑問符を打ち消す手段は、今のディーンにはない。 もし、眼球が腐るより早く、彼が忘れてしまったら? もっと他に大切なものを見つけてしまったら?
ラルフがその場にいることにも注意を払わず、ディーンは静かに立ち尽くしていた。 彼は、トレイルの手を引いていった。 トレイルが彼の唯一になるかも知れない可能性など、考えるまでも無い。 トレイルは、彼の側で、まだ生きているのだ。 もう触れられない自分とは、わけが違う。
彼と一つになってしまえば、もう苦しむことはないと信じていた。 同じものになってしまえば何も怖がる必要はないと思っていた。 そんなディーンの幻想を>>197打ち砕く声がする。]
(+33) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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/* おれのとまざってる フィリップの方で修正してやって!!!!!1111
(-63) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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――……違う。 錯覚なんかじゃない。
僕は、確かに永遠に一緒なんだ。 僕の肉は、ニコラの身体を作る。
だから僕は、ニコラとずっと……ずっと、一緒にいられる。
[生者には聞こえない声で、ディーンは呟く。 バーナバスの言葉を肯定することは出来なかった。 まるで、喰われてしまえばそれで終わりだとでもいうような。 自分の抱く欲望そのものが、罪悪であるかのような。
ディーンは、顔を伏せる。溢れ出そうなものを唇を噛んで堪える。 その代わりに胸に刺さる棘の痛みが増した――ような、気がした。*]
(+34) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[抱き寄せられて 額がぶつかった ドナルドの 胸辺り 暖かい 克明に 思い出す 額の暖かさ 笑かけてくれた]
………………っ くっ
[苦しい かなしい 肯定されて 堪えきれない しゃくりあげる 強く閉じたまぶたの 端から 熱いものがこぼれ落ちて
なぞられた口元 緩く 二回ほど 首を振るうちにはずれて]
う………………ぁあ
[そのまま両手は ドナルドの服を強く握りしめた]
(226) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[大丈夫、とフランシスに向けた。
ラルフの死を嘆くのは復讐を遂げてから。 そんな言葉が続くのは心の中でのみ。
ひとを殺せばひとでなくなるのだろう。 喰らえば獣に堕ちてしまうのだろう。
そう思いながらも止まれない。
大人になれば、とそんな先の話をした事を思い出す。 フランシスを哀しませるだろう。 そう思うのに腹の底で澱むものは消えてはくれない。]
(227) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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ラルフ も ホレーショーも………………っ おいて………………行かないで
寂しいっ寒いよーー笑って欲しいのに 苦しい 息が出来ない いなくならないで やだ
(*41) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[首を振るフィリップの口許から外れれば安堵の吐息。 苦しげな音>>226に僅か目を伏せる。]
――…落ち着くまでこうしてるから。
[ぽんぽんとあやすように背を撫でて 寒さに凍えぬだけのぬくもりわけられればと思う。]
(228) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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―フォッグ/2階廊下(1階への階段寄り)―
[――ノックスさん。
呼ばれて目を開いた。 黒髪を揺らし、琥珀の瞳で覗き込む少年が居た。 ラルフ。と、名を呼べば、ぱっと笑顔の花を咲かせた。露店で出逢った頃のままのラルフだった。 ビスケットの髪を撫でる幼いもみじ葉。ノックスはまた、目を閉じる。
愛し子達の姿は何処にも見えない。寂しさを慰めるように、髪が梳かれていく。]
(229) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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/* なに ディーンさん あなたどMですか
(-64) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[呼ばれて目を開いた。>>157 愛し子が、居た。]
………ニコラ。あぁ、ニコラ。
[こっちにおいで。手を伸ばしきらない内にぺたぺたとニコラは近付き。]
ぁぐ!! [咄嗟にその足首を掴んだ。 それでも彼が体重をかけるのを止められなかった。冷えた足の裏、爪先。臓腑にかかる痛み。床に押し付けられた背骨が軋んだ。]
ぐ、ぁあっ ニ……、苦し ぃ
[息苦しさに喘ぎ、圧迫された消化器官が、胃壁が収縮する。 寝起きの戯れには度合いの過ぎる、重み。]
(230) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[ニコラの赤い唇が紡ぐ言葉もまた、透明なナイフだった。ノックスの身を抉る。]
……そぅ むず かしい……ね。
[一番大事だと囁いて。彼等が裏切らないと、信じ続けてくれると、――思っていた。
苦いものを口にした時のように、表情が歪む。]
(231) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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――…おいていきたくなんてなかっただろうさ。
[伝う思考に己の思いをぽつりと落とす。]
(*42) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[ニコラだけを手元に置かなかった理由の1つに、怖れがあった。
いつか彼も拐われる。 手の届かないところに連れていかれる。 いや。彼が、ノックスを置いて、
――月に帰ってしまう。
羽衣を纏えば帰ることが出来るのなら、そんなものは奪ってしまいたかった。]
(232) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[声を歌を取り戻せば、トレイルもノックスを置いていくだろう。彼に相応しいのは沢山の観衆の居るステージなのだから。
騒音を嫌い、不協和音を嫌い、音の本当の美しさを知る彼が、ノックスの何を認めてくれると?
1人だけでは駄目だった。 彼等でないと駄目だった。
平等でないと駄目だった。 双眸でないと駄目だった。
もしも、もしも。 片方が瞑れても―――…もう片方が在れば、彩の世界を見ることが叶うだろうから。]
(233) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[結局。ノックスこそが、愛し子達を信じきれていなかったのかも知れない。
大人だから、信じることの難しさを知っていた。
繰り返し与えるヌガーの甘さも絶望も。ラルフを彼等の前で愛したのも、喰らったのも。彼等の信を試すかのよう。
怒らせると分かってはいた。 けれど、怒らせたかったのも事実。それだけ彼の中に、ノックスが居ると分かるから。
トレイルの世界は、ノックスとニコラだけ。そうしたのは自分だ。なのに、他人の干渉に過敏になる。過保護になる。
トレイルの世界は、ノックスとニコラだけ。つまり、ノックスが居なくなっても――…彼の世界は、崩れない。>>222
そして、ニコラの世界にノックスが居なくなっても――…彼の世界は、崩れない。]
(234) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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/* そういえば、あまりに人が死にすぎているので 最終的にこの山小屋燃やすしかないなって思った(๑╹ω╹๑ )
(-65) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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―――っ
[胃の中のものが逆流した。口の中に留め、ごくと無理やりに飲み込んだ。 冷えた体に、頬に触れたニコラの手と、時折かかる吐息だけは温かかった。]
―――…
[蓋のずれた、音を忘れたオルゴール。哀れな愛の形。
哀れだった。愛しかった。
ニコラが笑う。ニコラが囁く。>>159
彼の言葉。『かわいそう』な相手。 ……あぁ、自分のことか。]
(235) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[天地が逆しまになった感覚。これで二度目だ。
ふ、と息が漏れた。]
……そう、か。
そうか。僕は、かわい…そう……なのか。
[哀れで、弱い――存在。
まるで言葉をなぞるように。 ニコラの指は唇を撫でる。]
(236) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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[ドナルドの腕の中、 涙をこぼすフィリップの悲しみが、少しでも癒えればいいと思う。
ドナルドが、考えている復讐には瞳を翳らせ。
聞こえてくる慟哭を、受け止めている]
(+35) 2014/11/23(Sun) 00時頃
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