[最後の授業を終え、内心のしんみりさを見せずに生徒達を見送り、職員室で御田先生や憧れた水方先生とも別れの挨拶を交わしただろう]
明日から、ここに来る事ないんだなぁ。
[追い出し会という名の飲み会は土曜の夜に終えていて、あとはただ帰るだけ。
冬の夜空の下の鈴鳴高校を見上げ、そう溜め息と共に呟く]
(さみしいなぁ……)
[なんてしみじみしたのと同時、スマホが鳴り響いた。慌てて取り出してみれば、童部から返して貰えた手袋の贈り主からのコール]
あかり、どうかした? え、そっちの女子高に教員の空きが出来る?
[大学の同期で、長く片想いしている相手。何だかよく怒っている表情を浮かべているが、同じ夢に向かった同志でもある。
彼女は現在、申成女子高という高校で教鞭を取っている。確かこの鈴鳴男子高とは時折合同行事のある学校だった筈で]
[次の採用地がそこに決まれば、存外早い再会が待ってるかもしれない*]
(-648) hisetu 2014/02/21(Fri) 23時頃