目が覚めたのは30分後だろうか。
ソフィアは未だに眠り続けていた。
二人の身体を洗い流し、乾いたタオルで水滴を拭うとベッドへとソフィアを運んだ。
時刻は昼を過ぎようとしていた。ピッパさんとの約束の時間が近い。
服を着こんでいる間、ベルベットがソフィアの聖域の近くへと移動していただろうか。
産卵管を伸ばし、子宮に埋め込んだのは一つの卵の元。
それはお腹に子を宿した時、共に育っていくことだろう]
ベルベット、行くよ。
[ベルベットはキュイ――鳴き声を一つあげフィリップの肩へと飛来した。
退屈な儀式に疲れたかのように、とても不機嫌そうに――
部屋には用意した黒のエプロンドレスと、古くなった朝食とメモが置かれている。
鍵を掛ければ外からの侵入は、人の手では難しいだろう。
メモには、『城内はモンスターでいっぱいだから、出ない方が良いよ』と書かれていた。
最も、体力を根こそぎ奪いさられたソフィアが目覚めるのは夜遅くになってからかもしれないが]
(459) 2013/02/20(Wed) 11時半頃