[>>390 語る気のないミケを追求する素振りはない。
《Hel》もまた、己の思いを猫には語らない。”当時”そうであったように、今もただ、互いに傍にいるだけ]
『リシェント閣下は、次代に道を譲られるようだな。
まあ、妾(あたし)たち《始祖》もそろそろ引退し時なのかもしれぬな。』
[腕の中の赤子の目から光が失われていくのに気が付き、その子を産み落とした時と同じよう、優しく優しく抱きしめてあやすように揺する]
『ドナルド…そうか、其れがお前の選択か、我が愛しい子よ。
母は止めぬ。成りこそ赤子のままだが、お前ももう自分の意思を持っているのだろう。
眠るがいい―――望むのなら、いずれまた―――…』
[ミケに腰を抱かれるままに、腕の中の赤子に頬を寄せる]
『ミケ。憎くないのなら―――
愛せとは言わん。妾(あたし)の事も、この子の事も。
だが、最期くらい、抱いてやれ』
[子供の父親のオッドアイを見上げ、そう告げた]
(400) 2010/09/18(Sat) 23時半頃