[その後、12枚ものアルバムを世に生み出し、突如として解散してしまう。ドラムスのガストンは、人里を離れ自給自足の暮らしをしているという。もし彼に出会ったならば、熊鍋をご馳走してもらえることだろう。ベースのヴェラは結婚して幸せな家庭を築いている。ギターのネイサンは、サーカス団のピエロへと転身し、各国を渡り歩いている。そしてヴォーカルのプリシラは──]
ああ、アウスタン・ロックってのはな……。
なにもかも破壊し尽くす残虐性、そしてその後に残る愛しさと切なさと心強さ──いつか昔を懐かしんで、彼がいたから、彼女がいたから、だから今の自分がいる、そう思えるようなメロディ。
激しさの後で再確認できる愛の絆や、未来を見つめる心、平和を願う気持ちを込めた──そんな歌なんだよ……。
[当時を思い出しながら、そう語った。彼は今もソロで活動を続ける──その瞳は常に何かを見据えているようだ。**]
(351) AP 2011/11/29(Tue) 22時半頃