[それから、
昨日ぶりの、夜の常連。>>288
彼が昼に続けてくるなんて、そんな珍しい事滅多にない。
何時も通り、彼にも他の客にするのと同じに笑顔を向けて、静かな「いらっしゃい。」
店中を駆け回る猿を軽く目で追うものの、忙しさから接客はトレイル店員にお任せ。
しかし調理を終え戻ってきた頃には、]
また、花?
今度は、…どしたの。
[花言葉は、詳しくない。だからあの白いカーネイションと同じく、意味があっても知らぬまま。
浮かんだ薄い笑みは、いつもと同じなようで同じじゃない。
何処か酷く擦り切れたようなその顔は、増えた花>>290と手品師を見て、
しかし、彼を見てはいなかった。
荒野に、花は咲かない。
この鮮やかなイエローは、今度は一体だれの花か。自分か、それともこの悪魔か。
色彩の無いこの胸で、自分は一体何を感じればいいのか。]
(312) 2015/08/07(Fri) 01時半頃