── 研究室 ──
[室内へと足を踏み入れると、働き者のエルフ達が糖蜜を舐めながら、それぞれ研究対象への管理を行っている。
サンタクロースに寄せられる願いは様々だ。
例えば頭の垂れないクリスマスローズや、元気な羊を望まれる声もある。
勿論豊穣のシンボルともなる豚も例外ではなく、病に罹り難い個種を望む話も浮かべば、栄養価の高い餌への想いも寄せられる。
家畜の元気な姿を願う延長上には馴鹿の存在があり、男は植物だけでなく彼らの個体管理の一端を担う存在でもあった。]
んむ。明日のテストには充分だな。
[試験合格後、卒業してもこの研究室に残ることは決まっている。
男にとっては試験は学生から責任感ある立場へ歩みを遂げるプロセスの一種でしかないが、ここを旅立ち世界へと巡る、または寄せられた感謝の声に代筆して回る部署に配属を希望する者にとっては、この場所も遠い懐かしい場所となってしまうだろう。]
(286) 2015/01/25(Sun) 03時半頃