― 市街地 ―
[…どう見ても、カタギではない。目があった人々が自然と道を開けていく。
荒んでいた頃はそれが当たり前だったし自分からどけと睨み付けてもいた。
しかし今は、困ったように苦笑するだけ。
単独行動はしないようにと言われたのは覚えていたが、気に留めることなく
出てきたのは一般民の目のある場所で荒事を起こすほど
愚かではないだろうと考えていたからだったが…追っ手がくるとは思考外。
人の流れの中に目立つ出で立ちの男と一緒にいる青年を見て、
単独行動をするな、という意味に相互監視も含まれるかと思い直した]
人柄を知らないと、テオドールが連れまわされているように見えるな…。
[笑いをこらえながら、ズリエルとテオドールに手を上げる。
単独行動をした自分を追ってきたと聞けばやはりそうだったのかと頭をかき、
すまなかったと恐縮したような素振りをみせた]
(277) 2011/03/24(Thu) 13時頃