では、前哨戦に興じようではないか。せめて余の輝きを際立たせる凡骨となるがよい、異物共
[ 王は嗤う。その背は未だカエルに酷似した異物へと向けられており、それなりに挟まれていた距離は異物の翼によってゼロへと近づこうとしてる。
鋭利な翼に、毒々しい体色、よく見ずとも明らかに触れて良い存在でないことは一目瞭然であった。
そして、遂に伸ばされた前足が、王の背中へと迫りーー、]
して、貴様は一体全体、誰の許可を得て、この王の脊に触れようとしているのだ?
[ 王の振り向きざまに向けた左腕が、その触腕を押しとどめていた。
否、王の左腕とカエルの前足は触れておらず、まるでW王の腕に透明な壁が張ってあるWかの如く、カエル似の異物が伸ばした前足は空間に止められている。
やがて伸ばした前足は通用しないと悟ったのか、異物は前足を引っ込めると、今度はその体躯を直接ぶつけようと王へ吶喊を試みた。
ーーだが。]
(264) 2015/03/05(Thu) 18時頃