―― かつて、星のない街角にて>>209 ――[彼が彼女を連れてきたのは、そのberでも彼のバカ騒ぎが日常になっていた頃。自分も少しずつ音楽を楽しめるようになった頃だった。土地が違えば好まれる音楽も変わる。今もこうして、彼女の耳に届くのは馴染みのないものばかり。だから、彼がこちらに柔い笑みを向けるのが合図。目配せ、頷いて、指先は曲半ばでアドリブに入る。飾り気の無い、原曲そのままの旋律。星の見えない街で彼に頼まれた曲目は――"星に願いを"そこにどんな思い出があったのかは知らないまま。ただ、彼女が浮かべた表情を今でもはっきりと覚えている。はじめましてと差し出した手を、握り返してくれた温度も。いつか彼らの故郷で一緒に飲もうと、交わした約束も*]
(253) 2011/04/10(Sun) 23時頃
sol・la
ななころび
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