[羽を絡め取られた揚句に自由になる腕まで糸が絡みついてくる、落下の際の受け身すら取る事が出来なさそうな状況だったが、落ちる際に髪の毛のように大量の糸がこちらに伸びてくるのが見えた。
泣きそうなぐらい恐怖を感じる状況の上、血を寄こせと相変わらずのゆったり口調で告げる人形に心底恐怖した]
(いやああ、こいつ本当のお化けじゃないの!?)
[顔にヒビが入って片目が欠損しているビスクドールが無表情に血を寄こせと言ってくるのは心臓に悪い。
だが小さい人形はそのまま畳みかけるではなく距離を取ったようだ、何かを警戒しているのか、それとも何かを狙っているのか、よく分からない。
さらに伸びてきた無数の糸が絡みついて落下の衝撃は軽減された。
拘束された形になり、手にしていた棒も取り落とす。
手から離れると棒はどろりと血の海に変化して辺りに広がる。
また、先に散らばった血液が身体に戻ろうとスライムの様に蠢いてこちらに近づいている、本人には当然見えてはいない光景だが、傍目には何かをしようとしているように取られるかもしれない]
(248) 2011/10/22(Sat) 23時半頃