― 客室 ―
[シメオンの答えに、自然と表情がゆるむ。
体で払う、に瞬いた後に労働ととらえ、"ありがとう、でも大丈夫"なんてまじめに返して。
その背を送った後は、使われていない客室のチェックに。
手入れを怠ってはいないが、シーツなどのチェックを入れつつ、廊下で目に入る、鍵をかけたあの部屋の扉を見つめる。]
手遅れ……
[よみがえる言葉。
自身の痣に手を這わせ、腰骨から腿までぐるりと伸びる茨を服ごしになぞる。]
でも、どうすれば……
[敵は、人ならざる力――できることは知れている。
対峙したとして、非力なものにはどうすることも――無遠慮に知識を与えた刺青は、今はなにも答えてくれない。
小さくため息をつくと、食堂の方へ。]
……ぁ、 いってらっしゃい?
[ローズマリーに声かけられ見回りに行く人の姿を認め、見送る後は宿にいるもののため、なるべく常と変わらぬ*ように*]
(209) 2012/06/15(Fri) 12時半頃