[挨拶もせず入ってきた女子生徒は、
「わたしのことは"もちろん"知ってるでしょ?」>>186と、社会常識の欠落>>131を示す態度に終始していたが、
カトリーナは気にしなかった。
この学園は元々そういう点の教育に重きを置いていない。
よく言えば生徒の自主性に任せている、悪く言えば放任。
その教育方針こそが、特徴もない地方都市にも関わらず、長年、一定数の生徒を集めているわけで。
彼女もその教育方針に心惹かれて入学してきた生徒なのだろうと思う。
もしかすると、どこかで紹介されたかもしれないが、カトリーナにはまったく覚えがなかった。
勢いよく椅子に腰掛けて、脚でもぶつけたのだろうか、眉を顰め>>186た彼女にも皿に盛ったパエリヤを差し出す。
溶き卵入りごろごろ野菜のスープ――今命名した――をスープカップによそうと、意外にも鍋の中身は残り少なくなっていて。
カトリーナは会話>>185しながらカセットコンロに点火し、鍋をかけて次のスープを作り始めた。]
(199) 2016/08/21(Sun) 04時半頃