― 孤児院近くの裏路地 ―
[時折動きが止まり、考える素振りは見せる動く花畑。それに気付いた時は時既に遅し。
繰り出した拳が、奴の爪を捉え手の平の中に無理やり押し込んだのだ。
苦痛の呻き、叫びを上げているお化けに対し一時攻撃の手を休める]
痛い……デスカ?
痛いですヨネ。子供達も痛い想いをしたのデスヨ。
その痛みを抱イテ、子供達に懺悔して下サイ。
[動く花畑に止めの一撃を繰り出す為に拳を振り下ろしたのだが、見事にかわされた、と思いきや左肩に乗ってきた。
粘液が付いている右手を目に当てるのが読めたので、首を右に振ってそれを回避。
相手は距離を取って逃げようとする様を見て、捕らえて止めを刺そうと動き出すが、既に屋根の上。
ジャンプをしてそれを追おうとしたら、眩暈が生じ顔面を手で被い、膝を付いてしまう。
収まった頃には――自分しか其処には居なかった。
屋根の上に残された赤と黄緑の線が道標を頼りに、動く花畑を追う]
(193) 2011/10/22(Sat) 11時半頃