[正直な我が身は心だけでなく体まで。
彼女にノックされれば、条件反射よろしく腹が鳴る。
屈託なく笑ってくれたのがせめてもの救いだ。>>178
デート中の己はすっかり、うさぎ穴で美食を得る時のように、或いはもっと無防備に、自らを曝け出していた。理知が遠くて胸の高鳴りが近い。
彼女の声に背後を撫でられるだけで、眼の縁に熱が溜まる。]
―――― オムライスが食べたいです。
卵のやわさとか、味付けとか。
鶏肉派かベーコン派かとか、色々あるんですが。
戸崎さんが、お家で食べるようなオムライスが食べたいです。
[彼女は逃げたりしないのに、繋いだ手を強く握り込むのは緊張感が故。彼女に意図が伝わっているか、己を意識してくれているか。―― 己が抱える特別な気持ちに、彼女が怖がったりしないか。]
(190) momoten 2019/12/03(Tue) 23時半頃