―回想―
[朝食後、ゲーム準備を始めた寮長>>@26の背中を見ながら昔のことを思い出した。
あれはまだ中2――そう、この国にきて、この寮に入ってまだ間も無かった頃。>>@21
今よりも背が低く体そのものが小さい上に、外国人――そんな諸々で目立っていた。
その中には言葉で意思疎通が計れないゆえの成績不振も含まれていただろう。
寮の催しで大勢集まる中、先輩たちのフォローなのか得意なことは何かと聞かれて、華道や茶道、そんな普通の男子学生には程遠い異国文化が返ってきたことに変にテンションが上がったのかもしれない。
可愛い、とか明之進本人にしてみれば理不尽な理由でもみくちゃにされて、気がついたら何故かトレイルに抱きつかれていた。
同性でハグ、という文化にまだ抵抗があったのだ。
ここはそういった文化圏なのだ、と我慢したのが運のつきだった。
気がついたら、唇がふさがれていた。おかしい、と思う間もなく口内が蹂躙されるのを呆然と受け止めていた。]
(190) 2014/01/25(Sat) 21時半頃