[目まぐるしく動く彼女を止める間もなく、あれよあれよという間に冷えピタとポカリを渡されてしまった>>185。
お代はいい、という言葉にますます申し訳なさを募らせつつ。人を呼ばなくていいのかという問いにはぶんぶんと首を横に振った。これ以上人が集まったら確実に倒れる。そんなこと、彼女は知る由もないのだろう、けれど]
……送っ………!?い、いやその、……
………ぁ、あなたの、用事は……
[彼女の申し出>>187。これは彼女の善意なのだろうか。わからない。わからないけれど、もしそうであるならば無碍にするのは良くないのだろう。しかしそれが己の予定を削ってまでというのであれば話は違う。そんなことをさせようものなら申し訳なさで死んでしまう。
ゆえに、相変わらずの蚊の鳴くような声で尋ねた。
もしもまだある、と返されたならば全力で固辞し、もう終わったとの答えであればぺこぺこと何度も頭を下げた後に共に賀東荘へと向かうだろう。かつての日本妻よろしく、三歩後ろに下がって歩こうとしながら]*
(188) 2021/02/17(Wed) 19時頃