― 異世界・広場 ―
[広場に降り立ってから暫く後、傍目には血の海が築かれていた。
小鬼が大量に湧いていて、それらを相手に力の使い分けを練習した結果である。
一度身体から放たれた血はそのままでは使う事が出来ず、一度身体に戻る事が必要になるらしい。
本人には目の前に転がっているダーツの矢や蝙蝠が消えるというラグを要するように見えているのだが、実際は掌から放たれた血が身体に戻る手順が必要だった。
人間は体内の血液の1/3程を失えば死に至る、血液を武器にするというのはつまり相応のリスクを伴う]
(おかしい……身体が重い……。)
[脚がガクガクと震え、頭が重い、大量の小鬼を相手にただ漠然と血の矢や血蝙蝠を使った代償、貧血症状だ。
倒しても倒してもまったく減る気配のない相手に上手く血液の循環が行われずにその場に跪く。
けれど、小鬼達はまだワラワラと集まってくる、まるでお菓子をねだる子供の群れのように、辺りを取り囲まれる]
(185) 2011/10/20(Thu) 22時頃