―民家の中で―
[聞こえてくる足音は複数……なのだろうか、普通の靴音とは違う音に人数の判断が難しい。硝子越しに少しく顔を覗かせ、何が来るのかと息をひそめた。
初めに見えたのは、赤く染められた白衣。
多くの目が良く見ようと、そちらに視線を向ける。残りは後に続くものがいないかと探って。
白衣を着た男は包帯で覆われていた。隙間から見えるのは黒い肌。ミイラらしい男はそのまま足を進めて―――ある場所で止まった。
視線に釣られるように地面を見れば、緑の液体。ミイラ男に大部分を残しながら、ほかの目で地面と、右手と、民家のドアをみる。]
ああああ、これは、びっくり……!
なんということでしょう
考えもしなかった、この緑の液、邪魔ですね
ええ、メリーポピンズのオウム傘にかけて邪魔ですよ、まったくもう!
[思わず床に滴る緑の液に八つ当たりするが、小声でしか毒づかない。
ミイラ男が足を進めていることに気付いたのは少しあと>>183。
窓から覗くだけでは見えない範囲に行ってしまった。
他に誰がいるのかと確かめるように目を滑らせてから
道化は静かに窓際から離れる]
(184) 2011/10/22(Sat) 05時半頃