[闇は深く夜は深く、狼の耳に聞こえるのは低位吸血鬼や眷属達の声…動き…、ざわざわとする。チャールズを守る様に、一時も傍を離れずに。襲い掛かる影があるなら迎え撃つつもりで。]
(……………。)
[結局。結局、多過ぎる。多過ぎるのだ、考えることが。
慈悲を、なんて言えない。心の中ですらどんな言葉も形には出来ない。
だから、チャールズの為に、彼の心の平穏をのみ、祈る。
だが祈ったとして、…どうだったのか。]
(僕に、祈られて………。)
[しゅんと尾が垂れる。傍らのチャールズを見上げる。
足を引き摺っているなら乗せてあげたいけれど。…、自分の脚はじわじわと再生していっている。火傷も少しずつだが、痛みが弱まって来ている。背中の破片は早く取らないとならないけれど、今はそこだけ残して傷が塞がるが侭に任せる。]
[また、尾が垂れた。元気は全然無い。]
[そのうち、元気は出るだろうけれど、どうしても今は尾が垂れる。黙って冬芽色の双眸を向けていたけれど、此方にチャールズが気付きそうな気配がすると、視線を逸らした。辺りを見ていますよというような顔をして。**]
― →教会 ―
(176) 2015/01/21(Wed) 00時半頃