大学とか学科によるんだろうけど。
皆そうやって、楽しそーにしてるよ。でも、勿論課題だって試験だって必死でやってる。遊んでばっか、だし、何やっても遊んでるみたいに楽しい、んだと思う。
[ちょっと不満気に唸った本田に、くす、と笑う。
彼女も進路決める頃だったのだろう。やりたい事より、やらなければいけない事のほうが多い時期。
彼女は、何をしたかったんだろう。
どんなものに憧れて、どんな道を行くつもりだったんだろう。]
(…知りたい、し、)
[俺は、絵ばっか描いてたから。
ぽつんと言った。本当の自分。「大勢の中の一人」でいようとした自分。ひとに混じれない、ひとに混じりたい、「普通」に憧れた、自分。]
(知って、ほしい)
[他愛ない会話が、会話の内容よりも、ただこうして隣り合わせで言葉を交わしているのが、たとえ触れ合えなくともこんなにも心地良く感じているのに。
この距離感を、温かさを、踏み越えてしまいたいと思っている自分を。知ってしまったら、彼女は、どんな風に思うのだろう。]
(113) 2014/03/25(Tue) 00時半頃