……っ。
[薬のせいか、はたまた漂う空気に飲まれたか。ヤニクが入れ墨をなぞるたび、快楽が走る。]
熱い? ああそうだろうな……。
錬金術師はドラゴンの眷属だ。お前が触ったから暴れ出してやがる。
[それは本気と言うよりも、ヤニクを脅そうとした出任せ。一瞬だけなりを潜めていた破壊衝動は、無邪気な指先にたやすく箍を外された。]
んん? なんだよマーゴ? もう終わったのかよそいつ早いの?
[外野から声をかけられれば、狂った時間経過を棚に上げて、素直な感想を一つ。]
残念ながら騎士様はドラゴン退治に出かけるのさ。悪い女王様は哀れ犬のえさ、ってな。
[歌うようにくちずさみながら、錬金術師の口内に太い指を突っ込んだ。]
さあさあ、もう一度ドラゴン退治だ。つきあってくれるよなぁ?
[すぐさま指をひっこぬき、ヤニクの首筋を指でなぞった。]
(104) 2010/07/07(Wed) 00時頃