[緩めてくれた事に感謝する様に、黒猫の頭をポンと優しく撫でる。
そしてゆっくりと、女の子の亡骸を抱き上げると、脇腹を抱える黒猫が寝室まで案内してくれると、その後を黙ってついて行く。
通された寝室に入ると、空いているベットの上に寝かせ掛け布団を掛けた。そこに近くにあったのであろうか、玩具を側に置いて、如何にも眠っている様にしてあげると、優しく頭を撫でた]
――……ゆっくり休んで下サイ。
[月の砂の小瓶を握り締めたまま立っている黒猫に軽く一瞥をした後、メモを取り出し何かを書いてそれを見せた]
『大丈夫ですか?怪我をしているなら手当てをします。
それと……一体何があったのか話せますか?
自分はサイラス、と言います。旅の薬売りです。』
[黒猫は事の顛末を知っているのだろう、と判断して筆談で事情を聞こうとすると、メモ用紙とペンを彼女に渡す。
それと同時に、数少なくなってきた薬草と水が入った試験管を取り出し、黒猫の傷の手当ての準備をし始める]
(89) 2011/10/23(Sun) 19時半頃