[今更見捨てられるなんて心配はしていなかったが。
それはそれとして、……今日初めて銃を持ったはずなのに、こんなことがいきなり出来てしまう自分も大概だと思うが、その自分を的確にサポートできてしまう恋人も大概だと思う]
――おっと危ない。
[助言に従い、死角から迫っていた敵兵を沈黙させる]
ありがとね、シメオン!
[優しく血を拭ってくれる恋人の姿に、しばし見惚れる。
彼が傍にいなかったら、きっとここまでさえ辿りつけなかった。
恐怖のあまり動けずに殺されていたか、
それとも殺戮にただ溺れて、血の海に沈んでいたか。
そのどちらからも、恋人が掬い上げてくれていた]
うん、あと少し。頑張ろう!
[気付けば街外れの辺りまで来ていた。
敵はこちらに戦力を集中させているだろうから、他の場所は相対的に動きやすくなっていたことだろう]
(85) 2014/12/13(Sat) 22時半頃