[まるで皮肉とは到底思えず、素直にも刺さる言の葉>>39を甘受しながらも軟らかに乗せられた手を握り返す。憂いさえ感じ得る雰囲気に混ざる微笑には、少しだけ目を細め、安心させるようにまた自分も小さく微笑んで見せた。
鸚鵡のように返された事には少しだけ焦りを覚えてしまったけれど、今やそれも宵闇に霧散]
部屋に篭ってるキミの方が、…変だ。
[その視線は小さく伺うように部屋に泳ぐ金魚へと。時折水の跳ねる音が聴こえたのならば、寸時その瞼を下ろしてみただろうか。
軈て重なり合った手を引いたならば、その腰を立たせ、誘う様に籠の外の箱庭へと連れ出したことだろう。]
…キミ、花、だよね。
名前、教えてくれる。
[庭に面した硝子戸の側。
朧に地上を見下ろす月を眺めた視線を彼へと移したのならば、その横顔を意味無く見詰め。淡藤色の髪が月光に透ける様をただ眺めていたことだろう。]
(82) 2014/09/12(Fri) 23時頃