[声に紛れて不思議な音が聞こえてきた。>>68
ぱちりと目を瞬かせ、あれは腹の虫の音だったかと思い至る。作業に熱中でもしてご飯を食べていなかったのだろう。仕事熱心なヴェスパタインさんらしいな、とくすりと笑い。]
サンドイッチを用意してあったけど、まだ食べてなかった?
つい熱が入り過ぎていつもより多めに作っちゃったから、ヤニクさんもお腹減ってたら食べちゃって。
[手を離すと別の場所に置いてあったサンドイッチをテーブルの上に乗せる。ハム、レタス、トマト、チーズに卵と何通りかの組み合わせで色とりどりの具材が挟まっている。]
そうだね、お客さんだもの。
はい、分かったよヴェスパタインさん。
[信頼を寄せる言葉と聞こえない声での注文に頷いて応じる。下手な小細工は通用しないが、こっそりと仕込んだ彼の苦手な物を気付かれずに食べて貰っているのは密かな楽しみだ。]
うん、大丈夫。ヴェスパタインさんは座ってていいよ。
僕が全部やっておくから。
[割ったりしないよう両手に一個ずつランタンを持ち、工房へ運び始める。持つ数が少ない分往復回数は増えるが気にしない。
それよりも仕事を頼まれた喜びでにこにこと笑っていた。]
(71) 2014/05/11(Sun) 12時半頃