[突き付けられた三味線の先>>59には、"あい参った"と両手を挙げて見せたりして。
クスリクスリと笑いながら繰り広げられるその会話に、年甲斐もなくはしゃいでしまっている自分に気付く。
"胡散臭い"と言われてしまえば、拗ねたように唇を尖らせ。
だけれど最後に続いた"また"を期待するような言葉には――皮肉も勿論込められてはいるかもしれないが――肯定するようにコクリと頷いてみせた。]
……相思相愛?
――っふ、ふ……、そうやねぇ…毎日胸が苦しくって。
これでせめて、お相手の顔でも見れたらえぇんやけど。
[だけれど続いた茶化すような言葉>>60には、吹き出しそうになるのを必死で堪える羽目になったか。
あゝまったく。面白い冗談を言う娘だと思いながらも、返す言葉は茶化し返すようなもので。
――結局は堪えきれずに吹き出していれば、まるで噂話を楽しむかのように取り出された二通の文に、はたと女の顔色が変わる。]
(65) 2015/01/22(Thu) 22時頃