―― 3B ――
[今の質問を、その返答が引き起こしたことを知らない]
[目の奥が真っ赤に充血する。
せめて、せめて意味は取りたくないと必死で脳の奥をシャットダウンして。それでも頭の中にねじ込まれる、新たな口調。暴れまわる、聞き覚えのある口調]
[どこからか、ふわっとしたものがどくどくと破裂しそうな心臓をなだめてくれた気がした。けれど、黒板についた左手が絵を大きくぶれさせる。爪を立てた]
[ぎぃ、と不快な音が鳴る]
[背中を撫でるフィリップの手。
その感触が、びりびりする触感を与えて、少し混乱する。
けれど、今は、それだけが生への手がかりだった]
[全て落ち着くのは、多分、時間にしたらそんなに長くはない。
けほけほと、噛み割った右の奥歯と血を吐き出して、かくりとくずおれ、仰向けに転がった。目の焦点はまだ少しぼんやりしている]
(62) 2010/03/04(Thu) 09時頃