雅!…っばか!こっちくんじゃねェよ!!
[ ───… 何で俺のことなんか、庇うんだ。
俺の方が身体能力だって高いし、体躯だって太いし、力だってあるのに。ホント、馬鹿じゃねーの。大嫌いなアンタにそんなことされて、迷惑だよ。迷惑だ。こんなの俺一人で片付けられるから、引っ込んでろ。
倒れ込む金に駆け寄ろうとして、足を止める。狙いは自分だから、近付けば更に巻き込むことになる。 ]
…俺に何の用かなァ〜?
[ へらり 笑っているようで目はしっかり据わっている。もしそちらがその気ならば、負ける気はないと瞳で主張してやるんだ。危険を察知していないわけじゃない。でも自分が蒔いた種、だから ──… ]
「くっそ、娘を汚しやがって」
逃げろ、雅!
[ 自分の方に数人の男が掛かろうとした瞬間、大きな声で叫んだ。あいつに借りなんて作りたくないし、俺のせいでどうなったとか面倒臭すぎるから。
バキッ…バキッ… 痛々しい音が辺りに響く。黙ってやられてあげる程、俺も柔じゃない。 ]
(46) 2015/03/04(Wed) 11時頃