[しばらく何をするでもなく、空を見上げたり、ヨーランダの横顔を眺めてみたり。
ふと、彼女の自己紹介を思い出して首を傾げた。]
そう言えば……ヨーランダさんが参加したのは、さ
知り合いに勧められて、だったよね
……結婚、とか あんまり乗り気じゃない方?
[思い出されるのは、自分を「お父さん」と呼んだ時の、彼女のあどけない表情。
彼女の普段の生活を詳しく知るわけではないけれど、いつもは内に眠らせているのだろう家族への思いを想像させるには、十分で。]
(しばらく「お父さん」の代わりでも何でもいいから、傍にいたいって思うのはさ、……つまりそういうことなんだよね)
[隙だらけの表情一つ一つが、穏やかな沈黙が、放し難かった華奢な掌が、どうしてこうも忘れられないのか。]
(成り行きだったはずなのになぁ。結局一番乗りか)
[答えの出ない問題にいつまでも頭を悩ませるのは、元より好まない方だ。
彼女の言葉を待ってから、どう動くかは二つに一つと既に決めていた。]*
(43) 2013/06/30(Sun) 20時半頃