……此処にもないか…。
[異人の薬師を尋ねる、と言っても店を見ただけで分かるはずもない。商店街の中で尋ねたことのない薬師を只管尋ね続け、最早疲れ果てていた。…もっとも、断られた中には薬が無いのではなく僕の髪を気味が悪いというのもあったのだが。そんな視線に慣れていても、やはりそれが続くのは流石に応えていた。
ちょうど肆区から伍区へと続く場所に一つの薬屋>>32が見えた。ここで断られたらもう帰ろう、と消極的な気持ちで足を向けた。]
…御免下さい。山帰来は調合出来ますか?
[入ると同時に…というより入りながら目的を告げる。…ふっと目をやると、そこには手紙を持った金髪の男。……どこかで見たことがあるような…と少し考え、昨夜見かけた光景を思い出す。ああ、あれでは第一印象は最悪だ。断られても仕方ないだろうなと半ば諦めたが、さてはて薬師の反応はどうだろうか。]
(34) 2015/01/20(Tue) 11時頃