花街遊楽覚えても、性根が捻れちまうだけだが、
お前さんは火遊び程度で満足しない性分。そうだろう?
[彼の喜悦は難解なれど、上流階級らしい育ちの良さを無下にする男でなし。>>27
彼は自身をこの花籠より浮いた存在だと判じているようだが、中々どうして、欲深さたるや一目を置かざるを得ない。
今もこうして誘い文句を遊ばせる彼に、喉の上下が収まらず。
霧雨に冷えた指先を彼に向かい伸ばした。]
夜の深さを、人の挫き方を?
止せ止せ、月のない夜に刺されちまうぜ。
[口では咎める素振りを見せながら、指先を彼の耳横について、廊下の壁へと彼を追い立てる。
静かなる軟禁は、花にする暴力的なそれでなく。
されど、対等であるはずの彼へ教える上下間。
視座の変わらぬ眼差し触れ合わせ、首を僅か傾ける。]
―――…それとも、心の遊ばせ方を?
情熱を知らず、毒に過敏なる籠の鳥よ。
(31) 2014/09/19(Fri) 23時半頃