[商店街の隅っこで、異彩を放つオレンジ色のお店。
カボチャ専門店だ。
一年のうちこのシーズンだけ、どこからともなくやってきて、カボチャにまつわる商品だけを取り扱う、大きな移動型店舗。
並ぶ品はすべて、カボチャを使った○○か、カボチャ型の○○]
去年と、同じね。
……去年と、同じものを、売ってくれる?
って、頼み方は、できるのかしら。
[店の前で思わずこぼしたつぶやきに、カボチャをすっぽり被った店主は、手際よく商品を掻き集め、ざざっとバケットに詰め込む。
カボチャ色した、カボチャ型のかご。その中にこれでもかとカボチャ的な何かが積んである]
ありがとう。
[お代を渡して、かごを抱えた彼女は。
まるでかぼちゃの魔女かというほどに、カボチャだらけだった]
ほう……。海のしずくは、今年も、カボチャ祭りね。
[カボチャを抱え、再び人込みへと戻る]
(30) 2011/10/18(Tue) 14時半頃