[おもむろに少女から離れて歩み寄ってくる青年>>20を、足を止めて何事かと見遣る。
年下のくせに上にある視線に、無意識のうちに不満そうに眉を寄せながら。]
…うわ、!………、え?
[突如手を掴まれれば、それなりには驚いた。
今まで、彼がこうして自分から接触してくるのは、何かしら攻撃の意図を持っていたから。
思わず肩を強張らせながら、乱雑に動かされた腕に声を上げて、寄せられた顔に身を固めて。
聞こえた意外な言葉に、すぐに脱力することになったのだけれど。]
ああ、……あの花なら、毎日世話をしましたよ。
一方的に押し付けていってしまうんですから。
まだ花は咲かないと思いますけれど、花壇の形は作ったので、今も世話はされていると思います。
[潜められた声につられるように、口元を覆いながら返す。ここぞとばかりに、言えないまま持て余していた小言も混ぜ込んで。
少女から見れば奇妙だろうと、そのあとは簡潔に答えを告げた。]
貴方が花を育てるなんて、可愛いところもあるんですね。
[揶揄うつもりでもなく、表情を緩めるでもなく、思った事をそのまますとんと落として。寄せられた顔へ視線を向けようと、一歩身を引いた。]
(28) g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 11時半頃