アランさん。お…お久し振り、です。
本当に帰ってらしたんですね…
[声が震えないように、懸命に話し掛ける。ちゃんと笑えているかは不安だった。
アランに最後に会ったのは、随分と小さかった頃のように思う。内気なケイトは本ばかり読んでいた大人しい子供だったけれど、遊んでもらって嬉しかった記憶はある。
少しは成長した姿を見せたいと思うのは、当然の事だ。]
え…えっと。コレ、お食事とお酒です。
お肉は今の時期は備蓄が少なくて…あ、でも明日のお祭りにはたくさん並ぶと思うから…その、良かったらお二人でいらしてくださいね。
……外に行った人、あんまり戻ってこないから。アランさんが帰ってきたの、みんな喜ぶと思う…ぃ、ます。
[最後の方はちゃんと小声で。
多少つっかえはしたものの、言い切ってから失礼します、と頭を下げる。
アランは何か言っただろうか。引き止められなければ、ケイトはそのまま客室を後にしただろう。]
(27) 2015/05/25(Mon) 19時半頃