[いつも己の左手を叩いていた、彼女の手は小さくて。細くて。温かくて。
見渡せば、>>11>>17幸せの予感も覚えるような双子星に。なんとなく夢の続きを見ているような気分になる。酔いは、覚めているはずなのに。
一方で、>>9尊敬する先輩が、何処か虚ろな瞳をしているのが視界に入る。まだ絵を描いているのだろうか。…その眼差しはなにを見ているのだろう。蒼穹を映しているようには見えず、……心の奥の柔らかい所が傷んだ。]
……行こうか。
[皆を邪魔しないように。夢を名残惜しむ空気を壊さないように。静かに彼女の手を引いた。机の上に二人分のお金を、置いて。
己の緊張なんて露も知らないのだろう、元より侵入する気という腐れ縁。相変わらずだ。9年振りの帰還。青春を過ごしたあの校舎は。古めかしい寮は。……どうなっているだろうか。]
(21) MIZ 2014/03/11(Tue) 01時頃