[掃除の為の物を借りてさっさと済ませ、出ていくつもりだった。
傷は当然痛み、苦手な飲酒と失われた血液の分足取りが危うい。階段の途中声を掛けられ>>13ぎくりとし、ぎこちなく視線が動きヘクターの存在を認めた。]
べ、別に。あなたには関係ないでしょう?
[人が多いとなれば口調は選んだものとなるも、本性を知る男には他の者に対してより冷たい。
しかし一度向けた視線が泳ぎ落ち着かない様子なのは、銀髪の女に聞いた話があるから。こちらにヘクターの特徴を伝えたのなら、その逆だってきっと行ったのだろう。
相手の考えは知らないまま。二度見逃され三度目はどうなるか、それを恐れていた。]
ああ、そうだ。
私は用事が済んだらこの宿を出ますから、もう会わずに済みますよ。
良かったですね?それでは……っ
[一方的に言い捨ててさっさと降りて行こうとした時、腹の傷の痛みが増して表情が苦痛に歪んで手をやる。
結果をもたらさず痛みだけが残るなど、忌々しい。*]
(14) 2015/08/25(Tue) 17時頃