― 夕月広場 ―
[ 儀式は終わったのに、なかなかその場から動けなかった。>>10 ……ぼんやりと、手の温もりを思い出す。握っていてくれた、震える優しい温もりが、記憶を呼び覚ましていく。
嘘なんてつかないで欲しかった。大丈夫じゃないなら、そう言って、頼って欲しかった。苦しそうなののちゃんを見る方が、何倍も何倍も嫌だった。 ]
…………。人のこと、言えないや……
[ ふらり、と立ち上がる。食欲がない。……もう、自分を誤魔化せない。夕飯が食べられるかどうかも、不安になってくる。 ]
― 「ゆうがお」 ―
……夕方、公民館裏……ね。
[ >>7 愛梨の言葉に力なく頷きつつ、メモをとる。……と、>>13 ののちゃんが、具合が悪そうに立ち上がった。 ]
ののちゃん……?
[ いつだって、自分は上手くいかない。海斗なら、もし海斗なら、彼女にどうやって声をかけただろう。どうすれば彼女の苦痛を和らげてあげられるだろう。……あの日からずっと、答えはわからないままで…… ]
……見てくるね。
(14) 2018/11/19(Mon) 05時半頃