―ウォーレン工房―
そか……そか! ならいいんだけど!
[クシャミの答に翼のパタパタが止まります。女の子は安心したように椅子に座り直しました。
知った相手が旅に出てしまうのは、やはり女の子にとってはとてもとても不安な事でした。前の冬に旅に出た人で、ちゃんと帰ってきた人もいます。でも、かえってこなかったのは父だけではありません。]
え、わ、私? 私は家にいるよ。みんなを待って……ほら、冬の間はお母さんの仕事手伝ってるし。
[寒いのは確かに、人並み以上に苦手ですが。その辺りは母親が考えてくれているので家でも難儀するほどではないでしょう。]
みんなが預けてくれたもの、綺麗に手入れしながら……「今どんな夢見てるのかなぁ」「どこでどんな景色観てるのかなぁ」って考えて……それで、早く会いたいなぁ、って……
[去年の冬を思い出し、カップに残った液体を見つめながらぽつりと話します。]
(12) 2013/11/22(Fri) 14時頃