人狼議事

197 獣ノ國


【人】 本屋 ベネット

よいしょ、

[ドサッと、カウンターに新しく入荷した本を積み上げて置いて、間違いがないか確認する。新しい月が始まるこの時期は、新刊が多くでるので。
一度毛の細い前髪を鬱陶しそうに手で払った後、新刊にも関わらず紙の黄ばんだ文庫本をぱらぱらと捲る。
それは、彼がいっとう好きな作家が3年ぶりに出した小説であった。
その文体は、未だ少年であった彼を瞬く間に虜にし、楽しくはありながらくすんだ毎日を鮮やかに彩った。それで、世界が色づく瞬間と言うものを知ったのだ。そうして本屋になった。]


俺、昨日エプロンどこやったっけな


[むずがるように色の薄い唇を綻ばせた後、気を改めるようにいつもの生成りのエプロンを探す。
それの紐を後ろでにつけ、新刊をあるべき場所に並べはじめたのだった。]


(ーー今日は、どんな客がくるだろう。)

(11) 2014/10/01(Wed) 02時頃

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