―黄昏時の過ぎたあと―
[ただ1度の瞬きのように短い間気を失っていた。瞳を開けた時そこに広がる夜空には赤色など映らなくて、ああ、帰ってきたんだ。なんて悟る。いま、なんじだろう。
ポケットの中をさぐってスマートフォンを取り出せば今度はちゃんと動いてる。神への賛美の楽譜が写った待ち受け画面に浮かぶ時間は、夕暮れと呼ぶには遅く、深夜と呼ぶには早い刻。どっと疲れが押し寄せてそのまま腕をぱたり、落とした]
……はは、
[終わった、終わったね。と感嘆を共にしようと傍を>>0見れば、……その様子が明らかにおかしくて喜びなんか吹っ飛んでいった]
……アキくん?アキくん!?
[声をかけて背中をさするけど、効果があるとは思えなくて。病院でも診療所でも、そんなものがこの村にあるかはわからなかった。だけどこのまま彼を置いていくなんて気はまるっきりないから、その身体を背負ってもう一度走ることに躊躇いなんてない]
(8) indust 2016/11/22(Tue) 22時頃